しかし私はふいに、「あ、うちの娘、偏差値が出るようなテストさえ受けたことがない……」ということに気づき、ショックで酔いは回るばかり。
「○○ちゃんが、公園で平家物語を読んでいるのを見た!」「△△くん、ハリーポッター、原文で読破したんだって」「××ちゃんが、学校の作文で、ハーバード大学に行きたいって書いたらしいよ!」などと、周囲のデキる子の逸話を持ち出しては、「すごいよねぇ、どうしたら、あんな子に育つの~???」「立派よねぇ」と、みんなでため息。
ソチ五輪に出ていた高梨沙羅ちゃんの話にまでなり、「あのコメント、涙が出た!」「どうしたら、あんなすてきなお嬢さんに育つの? あと6、7年でああなるとはとても思えないわ……」「あんなにすばらしくなくていいの。どうか警察の厄介にだけはならないような大人に育ってほしい」「健康に育ってくれれば御の字だわ」「そうよ、そうよ!」と結論づけて、黙ってワインをぐびり。
「でもさー、○○ちゃんママ、教育熱心だったし、テレビも見せてなかったじゃない?」「私たち、静かにしてもらうためだったら、今日は特別とか言ってダラダラさせるの、けっこうやってきちゃったしねぇ」「私たちのせいなのかなぁ?」……こうなると、ため息が止まらず、ワインのお代わりをし続ける私たちなのでした。
専業主婦ママにかなわないのも事実
私の周囲で、保育園児が私立の小学校お受験をし、成功したケースはいくつかありましたが、非常にレアケースでした。ほとんどがあなたと同じように、仕事と育児を懸命に頑張っている間に、気づけば小学生ママになっていた、というパターンです。トイレトレーニングもおはしの使い方やうがいの仕方も、みんな保育園が教えてくれたわ!と喜んでいたくらいですもの。お受験用の塾や習い事の送迎、予習・復習につきっきり、なんてなかなか完璧にできるもんじゃないですよね。
じゃあ、専業主婦ママはどうかというと、やるママはちゃんとやっていたのは確かです。私の周囲では、英語に熱心な方が多く、プリスクールに通わせたり、ネイティブスピーカーのシッターさんを探して預けていることもよくありました。きれいな英語の発音を聞かされて、びっくりしたことは1度や2度ではありません。
あとはスイミングやサッカー、バレエ、ピアノ、それに公文。4歳くらいの子に九九が言えて、うちの子は小学生なのに時々間違える……と落ち込んだことだって何度もあります。幼稚園の選び方も将来の受験計画も、“シナリオ”がちゃんとある専業主婦のママと話すと、働く母は本当に凹みますよね。よーくわかります。
でも、本気度が明らかに違うママたちと比べて焦ったところでどうしようもありません。こどもの小学校受験を自分のミッションと捉えて、すごくエリートなのに、仕事を辞めた友人だっていましたもの。
そもそも、私のような40代以上の世代では、地方出身で大学受験で上京、受験ではすごく頑張ったけれども、それまでは外で遊びまくった思い出ばかりで、あまり勉強した覚えがない、って人が多い気がします。私たち夫婦なんてまさにそう。
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