共通テスト「数学」を攻略する6つの重要なカギ 数学の"基礎体力"をつけることが近道!

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次に、平成29年、平成30年に実施された試行調査から見えてきた出題の特徴について述べたいと思います。特徴的だったのは以下の6つです。

(1)日常生活の問題を数学の問題に直し、解決させる問題
(2)1つの問題に対し、複数の解答をさせる問題
(3)公式、定理等の証明問題
(4)生徒のよく行う誤答に関し、どこが間違っているかを選ばせる問題
(5)グラフに関する問題
(6)有名事実に関する問題

(1)に関しては、Tシャツの利益に関する問題を関数の問題に帰着させて解く問題、渋滞状況から最適判断をする確率の問題、薬の適正量に関する数列の問題などがありました。いずれも、問題文を読み、高校数学の問題に帰着させて解く問題です。

(2)は、数列の漸化式の解法の問題で、2年続けて出題されました。これは、学校、塾などでも必ず扱います。「解ければよい!」という考えだけではなく、別解まで追求する姿勢が大事になります。

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(3)は、正弦定理の証明が出題されました。公式の証明に関しては、共通テストでも出題が予想されます。

(4)は、相加平均・相乗平均を用いて最小値を求める際のよくある誤答について出題されました。なお、これは有名なテーマですので(6)と重複します。

(5)は、2次関数のグラフの移動、三角関数のグラフ、関数とその導関数のグラフに関する問題が出題されました。グラフに関する問題は、センター試験時代とは違う特色の1つとして、出題が増えるであろうと予想されます。

(6)は、フェルマー点の問題、フロベニウスの硬貨交換問題などが出題されました。

ただし、(4)も含め(6)は話題の数が限られます。そのため、共通テストにおいて出題は減るように思われます。

共通テストはどう対策すべきなのか

試行調査の問題を見て、驚いた人も多かったと思います。ただ、出題形式に慣れることは大事ですが、それに振り回されないことが大切です。出題形式に合わせた勉強ばかりでは、得点につながらないと筆者は考えます。

いちばん大事なことは、共通テストも数学の試験の一種であり、数学力と正の相関関係にあるということです。出題者側も数学ができる人ほど点数が取れる試験であるように作成している(作成したい)はずです。

実際、センター試験時代も、センター試験に特化した勉強だけをしている人(2次試験で数学が必要のない人)より、東大・京大・医学部志望などのセンター試験に時間をあまりかけない(ただし、数学力はある)人のほうが高得点を取れていました(考えたら、当たり前の事ですよね)。

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