テレ東の看板Pがコロナ禍の制約に見た勝ち筋 スピード感とマッチング力が問われている

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僕らに求められたのは、まさにスピード感でした。じっくり考えている時間がないなら、今自分が抱えているものをそのまま出すしかない、いや出せばいいと。じっくり考え、準備万端で用意したものより、普段から思っていることを素直に出すのが早道でした。たった3週間で……という思いはみんなあったとは思うんですが、結局みなやり切りましたね。普段は出さない顔を晒して、自分はこれをやりたいというものをちゃんと出してきました。そして、テレビもこうでなくちゃいけないとも思いました。

生配信イベントをやってみて、今のコロナ禍のテレビにも、実はものすごくスピード感が問われているということを体感しました。テレビ東京というテレビ局には、他局のように計画的で精緻に番組を作るというよりも「とにかくやってみる」という点で動きが早いという社風はあると思います。決して考えていないわけではないけれど、見切り発車も含めてトライしていこうという体質です。

すぐにやってみないとチャンスを逃すかも

先ほど言ったスピード感とマッチング力って、一見相反することのようですが、これとこれを組み合わせたら面白いと思ったら、とにかくすぐにやってみないと、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれない。

まず形にしてみることで、いっしょにやりたいと思う人もイメージしやすくなりますからね。配信という形でこれまで番組にしなかった企画を実際に形にしてみることで、新しいパートナーが見つかったり、それこそ新たなマッチングが生まれたりすることもある。そのことに気づけたことは、今後に生きてくると思います。

もう1つ気づいたのは、生放送の必要性です。報道・情報系の番組では他局も含めてやっていますが、もしバラエティの生放送をやるなら、ぜひウチがやるべきなんじゃないかと。

例えばテレビ東京の19時台は全部生放送にしますとか(笑)。ネットよりも今の今を伝える、スピード感を感じてもらえるテレビというのがなくていいのかという思いは、生配信をやってみてさらに強くなりました。生放送で実際に何ができるかは、携わる人がみんなで必死になって考えていけばいい。そんなことを、コロナ禍という状況下で改めて考える機会をもらったと思っています。(談)

(インタビュー・構成/鈴木健司、『GALAC』2020年10月号から転載)

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