ジーユー、5年ぶり「コスメ再挑戦」に抱く自信 コロナ禍でも事業拡大を推し進める逆張り戦略

拡大
縮小
GUが新たに展開するコスメにはどんな狙いがあるのか(記者撮影)

「化粧品市場は国内では数少ない成長市場だ。日本製にこだわってファッションにしっかりとなじむコンセプトを作り、新しいブランドとして立ち上げた」。

ファーストリテイリング傘下の「GU(ジーユー)」は、同社初のコスメブランド「#4me by GU(フォーミーバイジーユー)」を立ち上げ、9月4日から国内の一部の大型店とオンラインサイトで販売を開始する。ジーユーでグッズチームリーダーを務める土上洋佑氏は8月の発表会見で冒頭のように語った。売り上げ動向を見ながらアイテムや展開エリアを拡大し、ジーユーの新たな収益柱へと伸ばす方針だ。

発売するのは、リップスティック(税抜き590円)、クリームアイシャドウ(同590円)、リップグロス(同790円)、マルチパレット(同1490円)の4種類。アパレル企業らしく、最新のトレンドに合った色や質感が重視される、目元と口元のメイクアップ商品に絞った。

再挑戦に2つのこだわり

ジーユーの土上氏は「メイクだけ悪目立ちする、カラーが強くて使いにくいなどといった(ユーザーの)お悩みに応えて、旬のトレンドカラーをファッションに自然となじむように厳選した。コスメ初心者でも失敗しない、旬のファッションを引き立てるコスメだ」と強調する。

商品開発にあたり顧客や店舗スタッフらの意見を集め、衣服とのトータル提案を重視。4色を展開するクリームアイシャドウは、2020年のトレンドである薄手で透けるようなシアー素材を使用したトップスやワンピースとの相性を考慮し、ラメや艶で目元を印象づけられる色合いを中心にした。

ファッションとの相性に加えてこだわったのが、日本製という点だ。4つの商品の生産は、国内大手の化粧品OEM会社に委託。衣服と違って肌に直接付けるものであるため、品質の安全性を追求して原料の配合や充填などの生産工程は全て国内工場で行っている。パッケージや売り場の什器には森林認証の再生紙を使い、品質とともに環境への配慮も含めたブランディングを意識した。

実はジーユーでは2015年にも、一部の店舗でコスメを売っていたことがある。当時はコスメで統一したブランドは作らず、リップやネイルなどを単品で売っていた。

次ページ5年前のコスメ展開に反省点
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT