ジーユー、5年ぶり「コスメ再挑戦」に抱く自信 コロナ禍でも事業拡大を推し進める逆張り戦略

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しかし、他社のコスメとの差別化ポイントが明確でなく、商品によって売れ行きの差が激しかったため、わずか半年で販売は終了となった。土上氏は「今回はコスメブランド全体のコンセプト(日本製、ファッションとの相性重視など)を作り、当時の反省を生かした立ち上げとなっている」と語る。

2度目の挑戦に臨んだ背景にあるのが、化粧品市場の拡大だ。矢野経済研究所によると、2018年度の化粧品の国内市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年比4.1%増の2兆6490億円。スキンケアやメイクアップ、ヘアケアなど全てのカテゴリで拡大傾向にある。

訪日観光客の需要も牽引し、2019年度の予測値も2兆7200億円と伸びを維持する見通し。ジーユーが主戦場とするアパレルの国内市場が少子高齢化やコト消費の台頭などの影響をもろに受け、漸減傾向が続いているのとは対照的だ。

アパレル企業が続々とコスメ市場に参入

数少ない成長市場に商機を見いだしているのはジーユーだけではない。ファッションとの親和性も高い化粧品市場に活路を見いだそうと、最近は多くのアパレル企業がコスメ領域への参入を活発化させている。

「グローバルワーク」などを展開するアダストリアは2018年に同社初のコスメブランド「カレイドエビーチェ」を開始し、自社のアパレル店舗などで販売。セレクト大手のユナイテッドアローズも2020年7月、椿オイルをベースとしたスキンケアブランドを立ち上げた。

前回のコスメ展開とは違い、ブランドのコンセプトを明確に決めて再挑戦する(写真:ジーユー)

ある大手アパレルの幹部は「アパレルだけだと新規客をつかみにくいが、買い換え頻度の高いコスメやフレグランスを店頭やEC(ネット通販)で扱うと顧客の呼び水となって、そこから衣服も買ってもらえることも多い」と話す。

ジーユーではこの1~2年、衣服との買い回り需要の大きい靴とバッグについて、顧客の具体的な要望や意見を取り入れながら商品開発を強化してきた。コスメの投入で新規客の獲得や「ついで買い」をさらに促進し、今後の成長のドライバーとする算段だ。

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