ジーユー、5年ぶり「コスメ再挑戦」に抱く自信

コロナ禍でも事業拡大を推し進める逆張り戦略

ジーユーが今回発売する商品は2000円以下と、コスメとしては手頃な価格帯であり、いわゆる”プチプラコスメ”と呼ばれるカテゴリに該当する。プチプラコスメ市場では従来、ドラッグストアなどで販売されている「キャンメイク」や「ちふれ」といったブランドが有名だ。

他方で、1000円前後の化粧水やアイメイク用品を多数扱う生活雑貨店「無印良品」のヘルス&ビューティー部門の売上高は直近5年間で倍増。最近はSNSを中心としたマーケティングでファンを増やす新興ブランドや韓国系ブランドも存在感を増し、まさに市場は群雄割拠の状況だ。

TPCマーケティングリサーチが2020年に実施した「女性の美容に関する意識・実態調査」によると、20~60代の女性のうち典型的なプチプラコスメの愛用者はおよそ1割。その6割を20~30代の若年女性が占め、化粧品の情報収集手段として、口コミサイトやSNSの利用が特に多い傾向にあるという。

また、同調査では最近のプチプラコスメの愛用者の特徴として、化粧品の中でも、ジーユーが発売するようなメイクアップ商品への支出が平均と比べて突出して高いことも分かっている。

需要増加の背景にメイク動画の拡散

低価格のメイクアップ商品の需要が高まっている背景について、TPCマーケティングリサーチの松本竜馬執行役員は「メイクアップの市場ではここ数年、1人当たりが使用するアイテム数が増加傾向にあり、単価を抑えたプチプラコスメの需要が増している。要因として、SNSやYoutubeでメイク動画が増え、若い女性でも様々なアイテムを使いこなしたり試したりするようになったことが大きい」と指摘する。

昨今、インターネット上ではモデルやユーチューバーらが「○○風」などと様々なメイク手法を解説する動画が急増。若い世代を中心に、安価なリップやアイシャドウなどを買って多様なメイクを楽しむ人が増えているようだ。もともと学生や若い主婦の顧客が多いジーユーでは、こうしたプチプラコスメを買い求める層との親和性は高い。

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