24歳アイドル「メンタル崩壊どん底」で見た試練 「躁うつ病」と「3度の挫折」を乗り越えて……

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それから半年ほど経った4度目のチャレンジで、私はついに念願の仮面女子に昇格することができました。

候補生になってから仮面女子になるまで実に3年間。下積み期間では当時、私が最長記録でした。

仮面女子になってからは、毎日のようにステージに立つことに加えて、それ以外の活動もグンと広がり、「夢のような日々」を送っていました

私は子どもの頃から、母に手を引かれて西武球場(現メットライフドーム)に応援に通い、自分で独自の「野球ノート」をつくって、選手の特徴や試合の成績をメモしたりするほどの「ライオンズファン」

だからアイドルになったときも「野球関係のお仕事をしたい!」というのは夢のひとつで、「メットライフドーム」での始球式もさせて頂いたときは、もう子どもの頃からの夢が叶った瞬間で、天にも昇る思いでした。

「あきらめないことの大切さ」を伝えたい

このときインタビューを受けて、こんなことを話しています。

「ひとつの夢を実現させることができました」

「あきらめないことの大切さ、私が夢を追う姿を、これからもひとりでも多くの人に見てもらい、たくさん感動と勇気を届けたいです」

「みんなの希望の光になりたいです」

この言葉は、のちに私自身を支える言葉となってくれました。

すべての夢が叶い、毎日が夢のように順調、キラキラした毎日を送っている中、私はある日突然、強風で倒れてきた看板の下敷きになり、脊髄損傷による下半身不随になる、という事故に遭いました。

私自身、「誰かを元気づけられる」「人に勇気を与えたい」なんて、カッコいいことを言える状況ではなくて、今はまだ自分のことで精一杯です。

それでも「自分のためにやっている」ことが、ほんの少しでも人を元気づけたり、勇気を与えたり、「結果的に人を励ますこと」ができたら、それは自分の「自信」となり「生きる糧」となる──そう信じて、持ち前の「前向き思考」で、毎日を笑いながら楽しく、「前を向いて」人生を歩んでいます

猪狩 ともか アイドルグループ「仮面女子」のメンバー

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いがり ともか / Tomoka Igari

1991年生まれ。埼玉県出身。

2018年4月、強風で倒れてきた看板の下敷きになり、緊急手術を受けたが脊髄損傷を負い、以後、下半身不随に。歩くことはもちろん、自力で立つことさえできなくなった。

絶対安静の状態からリハビリを経て、車椅子に乗りながらアイドルとして復帰を果たし、現在は、NHK Eテレ『パラマニア』にレギュラー出演するなど、アイドル以外にも活動の場を広げている。東京都「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」メンバー。東京都より「パラ応援大使」に任命。9月23日には初めて作詞した究極の応援ソング『ファンファーレ☆』も公開された。

 

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