半沢、ナギサ、MIU404「TBSドラマ」が圧勝する訳 誰もが平等に幸福になれる世界描き心の支えに

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◯日曜日、『半沢直樹』は「倍返し」の力技で報われる

1週間働いてようやく休んだ日曜の夜、明日からまた仕事か〜というブルーな気分に、激しく闘う『半沢』の、もはやギャグかと思うほどの振る舞いに笑ったり心を奮い立たせたりしてストレス解消、月曜からまた頑張ろうという気分は高まる。

『半沢直樹』は「倍返しだ!」でおなじみの半沢直樹(堺雅人)が「人事がこわくてサラリーマンやれるか」と怯むことなく、上司たちの不正を暴いて、バンカーとしての正義を貫いていく痛快なドラマ。最強のライバル大和田を演じる香川照之を筆頭に、オネエキャラ・黒崎を演じる片岡愛之助ほか、歌舞伎俳優やミュージカル俳優、小劇場俳優たちが日本の演劇人の底力を発揮して演じる悪役キャラは、人気漫画のキャラのように大受けである。

出世のために不正を働き、人を蹴落としていく者たちに「やられたらやり返す。倍返しだ」と立ち向かう半沢。「ゴミ扱いしているのではありません。ゴミだと申し上げているのです」「あなたからは腐った肉の臭いがする、膿んでただれた肉の臭いです」などとはっきり物申すことが痛快。いささか乱暴ながら、現実ではこんなこと言ってみたいけど言えないことを半沢が代わってやってくれている。

半沢直樹が語り掛けた仕事の3原則が響く

半沢の信念はまっすぐで「正しいことを正しいと言えること」「組織の常識と世間の常識が一致していること」「一生懸命働いた人が報われること」と仕事の3原則を、ロスジェネ世代の部下に語り聞かせる。

「仕事は客のためにするものだ。ひいては世の中のためにするもの」「自分のためにした仕事は内向きで卑屈で醜くゆがんでいく」という言葉も実に正当だ。このように、毎回毎回、巨額の金をめぐる攻防戦のなかで、半沢の視点は常に、企業の片隅でコツコツ働く人々が報われることである。

◯火曜日、『ナギサさん』は「ストレスフリー」で報われる

週の真ん中水曜日は心身共に疲れる日。火曜日はその前日、明日を乗り切れば週末だと踏ん張らなくてはならない。そんなときだからこそ、ストレスのない『私の家政夫ナギサさん』が救いになる。

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