中国の電力大手、華能国際電力が8月18日夜に発表した2020年1~6月期決算は、純利益が前年同期比49.73%増の57億3300万元(約873億円)と大幅な伸びを示した。売上高は同5.21%減の791億2000万元(約1兆2053億円)と逆に減少した。純利益の急増を受け、上海証券取引所に上場する同社の株価は翌8月19日の取引でストップ高となった。
華能国際電力は中国の五大発電会社の1つである華能集団の傘下にあり、上場企業では中国最大の発電会社だ。主に中国国内で大型発電所の建設と運営を行っている(訳注:中国の大型国有企業では主要事業を切り出した子会社を上場させ、親会社は非上場の100%国有資本の形態をとるケースが少なくない)。
同社の2020年6月末時点の発電設備容量は1億800万キロワット。そのうち石炭火力発電が81.84%と大部分を占める。天然ガス発電、水力発電、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電など「クリーン・エネルギー」の比率は18.16%だが、2019年末との比較では1.24ポイント増加した。
経済再開とともに発電量はプラスに転換
純利益が大幅に増えた主な要因は、石炭価格の下落と財務費用の抑制だ。中国国内にある発電所の燃料コストは、1~6月期は前年同期比12.3%減少した。また、有利子負債の圧縮と借入金利の低下で支払利息が6億4500万元(約98億円)減った結果、財務費用が前年同期比13.11%減少した。
一方、売上高の減少は売電量の落ち込みが原因だ。中国国内の売上高は前年同期比33億2500万元(約507億円)減少、海外ではシンガポールの売上高が同6億2200万元(約95億円)、パキスタンが同3億9800万元(約61億円)それぞれ減少した。
なお、1~6月の中国国内の累計発電量は前年同期比8.05%減の1796億5000万キロワットだった。1~3月は新型コロナウイルス流行の影響で発電量が大幅に減少したが、4~6月は産業界の操業再開が進むに伴って発電量が昨年同期比プラスに転じ、前半の落ち込みを一定程度補った。
(財新記者:陳雪婉)
※原文の配信は8月19日
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