中国の原油輸入量が史上最高記録を再び更新した。中国海関総署(税関)が7月25日に公表したデータによれば、2020年6月の原油輸入量は前年同月比34.41%増の5318万トンに達し、直近の最高記録だった5月の4797万トンより10%以上増加した。
国別ではサウジアラビア、ロシア、ブラジルの3カ国からの輸入量がいずれも過去最高を記録した。輸入量が最も多かったのはサウジアラビアの888万トンで、前年同月比15.06%増加。1日当たりの輸入量は約30万トンに上った。
2位のロシアからの輸入量は前年同月比11.55%増の798万トン。3位のイラクからは同69.59%増の601万トンを輸入したが、前月の5月と比べると13.67%減少した。ブラジルからは前年同月比92.93%増の498万トンと大幅に輸入量が増加し、中国への原油供給国の第4位に浮上した。
陸揚げ追いつかずタンカー多数が沖待ち
業界の事情に詳しいアナリストによれば、今年3月から4月にかけて国際石油相場が暴落した際、多くの中国企業が「底値買い」を狙ってスポット市場で原油を集中的に買い付けた。それを積んだタンカーが5月と6月に中国の港に続々と到着したが、一部の港では原油貯蔵タンクの容量不足のため陸揚げが追いつかず、多数のタンカーが沖待ちしている状況だという。
このような買いだめの「主役」は山東省の地方の製油所であり、ロシア、ブラジル、アンゴラなどからの輸入が多い。コモディティー商品関連の情報サービスを手がける金聯創のデータによれば、2020年1~6月期に山東省および天津市の港で陸揚げされた原油は前年同期比31%増の約7200万トンに上り、その40%が5~6月に集中した。
金聯創によれば、地方の製油所の輸入量は7月も依然として高い水準にある。だが石油相場の反転上昇、過剰在庫、利幅低下などを背景に、8~9月分の買い付けは明らかな減少傾向を示している。また、中国沿海部の原油貯蔵タンクはほぼ満杯の状態で、港の混雑も解消されていない。このため7~9月期の輸入量は後半になるほど減少する可能性が高そうだ。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は7月28日
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