あなたはどちらのタイプ?~思考チェックリスト
問題解決と問題発見の「2つの思考回路は真逆である」と前述したが、それではどのように違っているのか?
まずは読者や読者の周囲の人がどちらに属しているのか、10項目のチェックリストで簡単に診断してみることにしよう。
以下の項目についてYes/Noで答えてみてほしい。
1. チームワークが得意で先輩にもかわいがられる
2. 数字に強い
3. 恵まれない環境でも必ずその中で頑張り抜く
4. 「その道の専門家」である
5. 法律や規制に詳しい
6. 仕事を着実に具体化するノウハウに精通している
7. 仕事はつねに確実に実行する
8. 服装や言葉遣いは厳しくしつけられている
9. 有名大学を出て有名企業に就職し、本流部門で働いている。
10. つねに人一倍の努力を怠らない
Yesの数が多ければ多いほど、一般的に社会の中では「優秀な人」ということになるだろう。半分以上がYesなら立派な「優等生」である。これが「問題解決型」に求められる資質や行動パターンである。こうした人材は「決められた枠の中の最適化」に関しては優れた能力の持ち主と言えるが、新しい問題を自ら発見できるかというと、むしろこの「問題解決における優秀さ」がそのまま「問題発見の阻害要因」に変わるのである。
逆に言えば、「問題発見」に適しているのは、以下のチェックリストでYesが多い人であることが多い。
1. 個人の主張が強く仲間や先輩とも衝突する
2. 数字に無頓着である
3. 環境に恵まれなければすぐにほかを探す
4. 何にでも首を突っ込むが専門性がない
5. 今の法律や規制には疎い
6. そもそも意味ないと思えば「ちゃぶ台返し」をする
7. 現実味のない理想を語ってばかにされる
8. 「服装や言葉の乱れ」は気にしない
9. 学校はまともに行かず、「まともな組織」で働いていないか、働いていても陽の当たらない「傍流」にいる
10. 「いかに楽をするか」を必死で考えている
おそらく読者の周りにも思い当たる人が1人や2人はいるのではないだろうか?
誰も気づかなかった問題を新たに発見して斬新な発想を実現していく、世に言うイノベーターとは、たいていこれらのいくつかが当てはまる人物である。これは経験的、感覚的にはある程度、納得してもらえると思う。
この連載では単にその表面的な行動だけを取り上げるのではなく、「なぜ」こういう人が問題発見に適しているのか、その「相反する思考回路のメカニズム」を解明していく。そうすることで、問題発見能力を組織や個人として向上、活用させるための方策について考えていきたい。まずは「2つの思考回路」の大きな違いを見てみよう。
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