事故物件住みます芸人が求め続ける壮絶な現場 売れっ子になり映画化されても「恐い」を究める
タニシさんは、ほかにも東京と大阪に2軒の物件を借りている。もちろんどちらも事故物件だ。
「新たに大阪で借りた新しい物件はトイレでおばあちゃんが孤独死した物件です。『死因は不明』としか教えてもらえませんでした。どうやら発見が遅れたようです。キレイにリフォームされているのですが、今でもトイレを使っていると、おばあちゃんの臭いがします」
同時に4軒の事故物件を借りている人は、めったにいないだろう。
確かに単行本が売れて入ってきたお金は、事故物件を借りるために使っているのだ。
タニシさんの通帳に印税が振り込まれた頃、『事故物件怪談 恐い間取り』のヒットに、松竹の映画プロデューサーが目を止めた。
「映画にしたら面白そうだな」
と思ったという。
偶然にもタニシさんは、同じグループ会社の松竹芸能所属の芸人だったためトントン拍子に話が進んだ。
『リング』の中田秀夫さんが監督に
映画監督は未だに世界中で怯えられている『リング』を監督した中田秀夫さんに決まった。
「映画化が決まったときは、白日夢を見ているような変な気持ちでした。現実感がなかったですね。
中田監督って、本当に恐い映画を撮る人ですから、『恐い間取り』も本気で恐い映画になるんだな、って思いました。
そして主演の亀梨さんはすごいですね。改めて役者さんってすごいんだ、と感じました。僕に寄せてくれているのですが、でも寄せすぎず、映画の主人公として最適な人物像を作り出していると思います」
タニシさんが事故物件に住んでいたときは、もちろん世界はタニシさんの一人称視点で見えている。映画では、客観視点で自分を見ることになる。
「映画を見て、改めて自分ってこんなことしてたんだ、って思いました。客観的に自分がたどった道を見て初めて『こわっ』って感じましね。怪異に気づいていない主人公に
『危ない逃げて!! 後ろにいるよ!!』
って声をかけたくなりました(笑)」
タニシさんが事務所の先輩である北野誠さんに勧められて事故物件に住み始めることになったエピソードも忠実に再現されている。
実は、タニシさんは事故物件に住むまで「恐い」ということにあまり関心がなかったという。
「事故物件に住んでるということで、恐い話をするライブや番組によく呼んでもらいました。そういう所で、話しているうちに段々、『恐いってなんだろう?』と思うようになりました」
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