事故物件住みます芸人が求め続ける壮絶な現場 売れっ子になり映画化されても「恐い」を究める
松原タニシさん(38歳)は、人が事故により亡くなってしまった部屋「事故物件」にあえて住む「事故物件住みます芸人」である。
そもそもは「北野誠おまえら行くな。」(エンタメ~テレ)という番組で、「若手芸人が事故物件に住み、カメラに幽霊が写ったらギャラがもらえる」という企画に参加したのがキッカケだった。
その企画は盛り上がり終了したが、タニシさんは事故物件に住むのを止めなかった。
関西と関東に自腹で事故物件を借りて住み始めたのだ。
そして2018年、5軒目の事故物件に住んでいるとき、それまでに起こった出来事などを書き下ろした『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)を上梓した。話題に上り、次々に増刷がかかり、今年の7月には続編である『事故物件怪談 恐い間取り2』(二見書房)も発売され、こちらも大きくヒットしてシリーズ累計20万部を突破している。
亀梨和也主演の映画が8月28日に封切り
そして本著はなんと『事故物件 恐い間取り』として、監督:中田秀夫、主演:亀梨和也、で映画化されることになった。
8月28日から全国で公開される。もちろん映画はフィクション作品だが、おおむね松原タニシさんの設定や経験がベースになっている。
1人の芸人がヒッソリと始めたチャレンジが、今、全国の人たちに注目されている。
今や時の人なのだが、久しぶりに会うタニシさんは、以前と変わらずひょうひょうとしていた。
「調子には乗らないようにしよう、といつも心がけています。本が売れたのも、映画になったのも、全然、僕がすごいとかじゃないので。事故物件に住むことを勧めてくれた北野誠さんはじめ、僕の周りにいてくれた皆さんのおかげで、たまたま成功しただけだと思います」
と、とても謙虚だった。
地方で仕事を終えた後、宿泊したスーパー銭湯の休憩室で話を聞いた。
『事故物件怪談 恐い間取り』が発売されたのは2018年の6月末だった。その頃は、タニシさんは金銭的にかなり厳しかったという。
「お笑いの収入は雀の涙でした。アルバイトで稼いでなんとか生活してました。ラーメン屋、おにぎりの配達、千日前のバーでバーテンダーもしてました。月収14万~15万円でしたね」
お笑いは非常に厳しい世界だ。本業だけで食べていける人はほんのわずかだ。アルバイトで稼ぐのは当たり前だ。
だが、タニシさんの「事故物件に住む」という活動には普通に生活する以上にお金がかかる。アルバイトの収入だけで2軒の家を借りるというのは、かなり厳しかった。
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