コロナ不況で倒れる会社と踏ん張る会社の大差 経営は勝つゲームではなく負けないゲームだ

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コロナ禍による業績不振を一様に語ることはできない(写真:freeangle/PIXTA)

このところ、SNSで同業者の廃業宣言が目につくようになっている。

私はコンサルティングに従業している。したがって、知人も、コンサルタントを中心とし、研修講師、個人事業主、起業家などが多い。とくにコンサルティングや研修講師は企業からお金をもらうため、依頼元の業績が悪くなってしまったら仕事が消えてしまう。

宣伝広告や教育費などは最も削られやすい分野だから、その領域で生計を立てる人たちは、もう廃業しなければならない、というわけだ。コンサルタントや研修講師は「未曾有の危機に備えろ」とクライアントに言ってきたはずなのに、最も備えていなかったのは自分たちではないか、と皮肉を言いたくなるが、それくらい大変な状況のようだ。

とはいえ、拙著『1年仕事がなくても倒産しない経営術』でも詳しく解説しているように、全員が苦しみにもがいているわけではない。

EC・通販業界をコンサルティングしている人たちからは、むしろ売り上げが増えたと聞いた。これは成果報酬でコンサルティングフィーを設定している場合、コロナ禍で注文が勝手に増えたためだ。

また、自転車製造業の場合は、満員電車を忌避する人たちが増えたため、通勤用として自転車が売れている。関連産業からの依頼も減少していない。

このように、コロナ禍による業績不振といっても、まだら模様で、一様に語ることはできない。コロナ禍で業績を伸ばしたところ、減らしたところがある。

業界ごとの売り上げはどう変わった?

そこで、上場企業のうち月度の売り上げを報告している251社のデータを調べてみた(原稿執筆時点:2020年8月21日)。上場企業のため、自社のホームページなどで確認できる。全店舗の売り上げが前年同月と比べて、どれだけ上がったか下がったかを見てみた。

(外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

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