コロナ不況で倒れる会社と踏ん張る会社の大差 経営は勝つゲームではなく負けないゲームだ

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通販・ECや食品・スーパーなどは巷間でいわれているとおり好調をキープしている。ドラッグストアも、インバウンド需要が霧消してしまったのに、マスク・消毒液、ならびに殺菌・除菌商品の売れ行きによってプラスとなった。

また意外だったのは家電量販店で、1人当たり10万円の給付効果が出た模様だ。高級な調理家電で巣ごもり調理に備えたり、エアコン、冷蔵庫、そしてテレビなど特需だったりが業績を支えた。

悲惨な業界も多い

しかし、悲惨な業界も多い。緊急事態宣言は解除されたとはいえ、アパレルは外出の回数が減ったことによって減となった。そこが百貨店の売り上げ減少にも現れている。なおこのなかにあっても、ワークマンやしまむら、ファーストリテイリングなどの、スポーツウェア、カジュアル系は業績を伸ばしている。これも巣ごもり需要が一段落したなかでも、運動用、自宅用の衣類は根強い需要があったと思われる。

食品・スーパーとともに強いと考えられていたコンビニだが、インバウンドに加えてテレワーク・在宅勤務によってオフィス街の需要が減少してしまったのが響いた。

そのなかでも悲惨なのは運輸サービスと旅行・観光だ。運輸には公共交通機関を含み、旅行や出張など、人の動きが制限されている状況を示している。

公共交通機関は固定費のビジネスであるため、本数を減らしても、燃料費などは削減できるとはいえ、大きなコスト改善にはつながらない。そうなると、少しでも収益を上げようとお客を運ぶ。新型コロナウイルスがいつ収束するかは不明だが、いったんなくなった国内出張や海外出張が以前のように復活するかはわからない。周りのビジネスパーソンに聞いてみても「もちろんすべての出張がテレビ会議で代替されるとは思わないが、相当にムダな出張があったと気づく機会だった」と言っている。経営は、かなり今後も苦戦が予想されるだろう。

また、旅行・観光は、そもそも海外への渡航が事実上不可能であり、観光需要もなくなってしまったことからほぼ0(ゼロ)となった。Go Toトラベルキャンペーンも東京が除外になるなどのトラブルも重なって、まだ明るい兆しは見えていない。

海外旅行者が自由に日本を訪問するタイミングはまだ先だろうから、まずは国内旅行者をつかまえるしかない。都道府県をまたいだ旅行者を受け入れるのが難しいなら、まずはマイクロツーリズムの形で、同一都道府県内から受け入れ再起を目指すしかないだろう。

なお、次に法人企業統計から、各企業の保有現金月数を見てみた。前述の上場企業ではなく、法人企業統計からの計算したものであるため、業種分類が異なっているのはご容赦願いたい。

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