小売業がNYからこぞって撤退し始めているワケ もはや旗艦店をマンハッタンに置く必要ない

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「コロナ禍の前、ハドソンヤードは好調なスタートを切っていた。当社は、ファッションと小売りが常にニューヨークの活気の中心であり続けると固く信じている」(リレイテッド・カンパニーズの広報担当者キャスリーン・コーレス氏)。

ミネアポリスの米投資銀行パイパー・サンドラーのフードチェーン担当アナリスト、ニコール・ミラー・リーガン氏によれば、シェイクシャックのように都会のオアシスとして成長したニューヨーク発のチェーンにとっては、ニューヨークのロックダウン(封鎖措置)はとりわけ大きな痛手になった。「ニューヨークが本拠であるという地の利を、まさに強みとしてきたからだ」(リーガン氏)。

シェイクシャックは7月末、第2四半期の売上高が40%落ち込んだと発表。「新型コロナの感染拡大で最も打撃を受けたのは」ニューヨークなど大都市の店舗だったという。

マンハッタンにはそもそも通勤する人がいない

大都市の店舗は結果的にテイクアウトと宅配で営業を再開したものの、客と店員との接触を最小限に抑えられるドライブスルーの窓口を持つ郊外店ほどは売り上げが回復しなかった、とリーガン氏は語る。同氏によると、「顧客が最も安心できる販売形式はドライブスルーだ」。

ロサンゼルスにあるウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、ニック・セテヤン氏によると、チポトレもシェイクシャック同様、投資家に開示された情報ではニューヨークを含む北東部の店舗の業績は他地域を下回っている。

その主な原因は、セテヤン氏いわく、マンハッタンの大部分では「そもそも通勤する人がいない」ことにある。

(執筆:Matthew Haag記者、Patrick McGeehan記者)
(C)2020 The New York Times News Services

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