メンターの作り方、メンターとの付き合い方《ハリウッド・フィルムスクール研修記12・最終回》
大学院生活も残り半年を残し、年末年始は日本に一時帰国しました。いくつかあった帰国の目的のなかで、メインイベントの一つは「残り半年の過ごし方について、メンターから助言をもらう」ことでした。
そもそも「メンター」とは、「対話による気づきと助言による(略)、本人の自発的・自律的な発達を促す」指導者と定義されています(Wikipediaの「メンタリング」より)。ビジネスの世界でも、 変化への対応力・発想力のある人材育成手段としてかねて注目されている、とも聞きます。
私にはメンターと呼べる人が何人かいますが、「フィルムスクールへの留学」という選択へと導いてくれた人物として、ワシントン州立大学教授・金沢工業大学虎ノ門大学院教授の北谷賢司氏がいます。
最終回である今回は、「研修記」というテーマから少し外れますが、私がフィルムスクールを目指すことになったきっかけと、留学を決断するまでのメンターからの影響について書いてみたいと思います。
メンターとの出会いは1冊の本
北谷氏は長年アメリカの大学で教鞭を取るメディアビジネスの専門家で、その知識と人脈を活かし、東京ドームの取締役、米国法人社長として13年間にわたりローリング・ストーンズ、マイケル・ジャクソン、マドンナやNFL、NBAなどを日本に初めて招聘した人物です。
その後、ソニーの執行役員兼米国ソニーEVPとして経営に携わり、現在でも数々の企業のアドバイザーや顧問として活躍されています。
私が北谷氏を知ったのは、氏の共著『エンタテインメント・ビジネス』を大学生時代に読んだことがきっかけです(本書は2007年に大幅に改訂された『ライブ・エンタテインメント新世紀』として再発売)。