メンターの作り方、メンターとの付き合い方《ハリウッド・フィルムスクール研修記12・最終回》

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留学を決意させた、メンターとの圧倒的な力の差

その後、私は北谷氏からアドバイスを受けた「短期的な目標」の達成に向けて動き始めました。北谷氏からも来日するミュージシャンの情報をいち早く教えてもらうなど、積極的な海外にかかわる仕事を提案し続けました。

結果、小規模な案件ではいくつか成果は残せたものの、大規模な案件となるとどうにもうまくいかない。その原因を考えてみたとき、やはり自分自身と海外のエンタテインメント業界に距離がありすぎ、事情がわからず提案に自信が持てないことがありました。上司に対しても取引先に対しても、「お任せください」と胸を張って言えなかったのです。

これは私だけでなく、日本のビジネスマンの多くに当てはまることかもしれません。国内では自信を持って仕事ができるのに、海外が相手だと突然萎縮してしまう。そのため、間に入っている“仲介者”の言うことをそのまま信じてしまう。

「海外との交渉で大切なのは、可能なかぎりミドルマン(間に入っている人)を排除すること」と北谷氏は主張しています。自分が海外のキーマンと直接交渉するためには語学だけでなく、コミュニケーションの前提になっている知識や情報を共有しなくてはならない、と考えるようになりました。

「言うなれば、自分の海外との交渉レベルは入社したての新入社員。周りが何を言っているのか、やっているのかがまったくわからない。これを、何とか周囲の事情がわかり会話が成立する“入社3~5年目”レベルまで持っていく方法はないだろうか」。このように考えたとき、「アメリカの大学院留学」が視野に入ってきたのです。

北谷氏にアメリカの大学院受験を打ち明けたときは、もろ手を挙げて賛成してくれて推薦状も快く執筆してくれました。氏からの賛成は私にとっても心強いものでした。

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