メンターの作り方、メンターとの付き合い方《ハリウッド・フィルムスクール研修記12・最終回》

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 上記に挙げたような外国人タレントのコンサートやMLB、NFLをはじめとするスポーツ興行を仕掛けた裏側を赤裸々につづった書で、古い慣習に支配されていた日本の興行業界に、氏がアメリカ式の最新のビジネスモデルを持ち込み成功したプロセスが描かれています。
 その最後の章に日本のエンタテインメント・ビジネス業界が抱える問題として、人材の問題が挙げられていました。

「日本では商社、広告代理店、テレビ局等がエンタテインメント・ビジネスに手を出しているが、頻繁に異動が繰り返される人事システムにより専門家が育たない。また、大学でも“エンタテインメント”ビジネスを教える学校が日本には存在しない。」

その後、就職し数年が過ぎたときに北谷氏がソニーのエグゼクティブ・アドバイザーとして日本に戻っているといううわさを聞き、メールアドレスを入手し連絡をしてみたところ、「一度オフィスにおいで」というお誘いを受けました。

そこで私は、「自分はまさに北谷氏のようなエンタメ・ビジネスの専門家としてキャリアを目指したい。しかし、自分は英語も話せなければ、(方向性は近いものの)畑違いの仕事に従事している。どうやって、キャリアチェンジを図るべきか」という質問を投げかけました。

氏からのアドバイスは、「短期的には、今のキャリア(広告)でエンタメ・ビジネスとの接点をなるべく作っていくこと。そして中期的には、エンタメの知識と人脈を獲得できるアメリカの大学院に行くこと」。

大学院なんてしょせん机上の空論を教える非現実的な場所、と思い込んでいた私に、北谷氏は「アメリカの大学院は超実践的であり、教えに来る講師も現役のプロフェッショナル。彼らとつながるだけでも人脈形成ができる」ということを教えてくれました。

この時から私のなかで、アメリカへの留学がぼんやりと一つの目標になったのです。

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