プレイヤーの中にはロード時間を1秒でも短くするため、PS4内蔵のHDDをSSDに換装する人もいる。しかし、同作ではそのような手間は不要だ。僕はPS4に換装や改造などを施していないが、ツシマのロード時間は長くても10秒程度だ。
「美」と「死」が一体となった狂気的な風景
同作で描かれる対馬の雄大な風景も好評だ。風景が日本的なのはもちろん、場所ごとにメリハリがきいており、時代劇の舞台として実に素晴らしい。
花が咲き誇る春の広い平原があり、緑の木が生い茂る夏の森がある。紅葉の舞う秋の絶景があり、雪に覆われた冬の山々がある。ツシマをプレイするだけで、日本の四季の美しさを満喫できると言っても過言ではない。
そんな美しい風景の中で異彩を放つのが、死体の数々だ。元寇を舞台にしているため、蒙古に斬り殺されたり、あきらめて自害したり、見せしめのために吊り下げられたりと、数えられないくらいの死体がそこら中に転がっている。
美しさと恐怖がないまぜになった狂気にあふれた風景が、侵略者である蒙古に民がおびえながら暮らす対馬の様子をプレイヤーに強く印象づけるのである。
工夫はそれだけじゃない。オープンワールドゲームではその広大なマップに配置されたさまざまなロケーションを発見しやすくするためのミニマップやHP、武器の残り弾数といったパラメータなどが画面端に表示される。
しかしツシマではそれが最小限に抑えられている。戦闘のない移動シーンでは目的地の方角を示すマーカーさえ表示されず、対馬の豊かな自然にプレイヤーは集中することができる。
では、マーカー無しにどうやって目的地に向かうのかといえば、コントローラーのタッチパッドをスワイプすることで風を起こし、「その風の吹く方向を目指す」のである。「風の吹くまま気の向くまま」なんて言葉があるが、文字通り風の流れが、次は何をすればいいのかプレイヤーにナビゲートしてくれるわけである。
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