自由化路線を修正、オバマ金融規制の真意 不意打ちともいえる規制案

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総資産2兆ドル超ともいわれるヘッジファンドへの投融資が急速に細れば、株式など金融市場の混乱も免れない。リスクマネーの低下は、米国民が待ち望む景気や雇用の回復にも影響を及ぼすだろう。

一方、政権内の分裂も懸念される。規制強化派のボルカー氏が急浮上した背景には、ガイトナー財務長官やサマーズ国家経済会議委員長、バーナンキFRB議長など、従来、主導権を握っていた経済チームの発言力低下がある。

血税で救済された銀行マンが早くも多額のボーナスで潤い、一方の国民は10%の失業率にあえぐという状況から、議会と国民の批判が集中したためだ。今後、経済チームが一枚岩を保てるかは微妙だ。

規制案は具体性を欠く部分が多く、どこまで法案に盛り込まれるか予断を許さない。米国に進出する日本の金融機関への影響は小さいともいわれるが、楽観は禁物。みずほ総研の安井氏は、「金融規制に限らず、高所得者増税、保険会社規制強化など、秋の米中間選挙に向けて政治的に受けのよい政策への傾斜が高まる可能性がある」と指摘する。

危機後の枠組みに向けた模索と混乱はまだまだ続きそうだ。

中村 稔 東洋経済 編集委員
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