自由化路線を修正、オバマ金融規制の真意

不意打ちともいえる規制案

巨大銀行解体か--1月21日にオバマ大統領が発表した新たな金融規制案にウォール街が揺れている。

 不意打ちともいえる規制案のポイントは二つ。一つはハイリスク業務の制限で、「預金を取り扱う銀行はヘッジファンドや未公開株投資、自己勘定トレーディング業務の保有、投資、保証を行ってはならない」とする。同案を主導するポール・ボルカー経済再生諮問会議議長の名をとり、「ボルカー・ルール」とも呼ばれる。

もう一つが、規模の制限。既存の預金シェアの上限規制に加えて、ほかの負債にも同様の縛りを定め、巨大金融機関による寡占化を阻止しようというものだ。

米国では金融危機の過程で生き残りを懸けた銀行・証券の融合、巨大金融化が一段と進展。大手証券(投資銀行)のゴールドマン・サックスなどは銀行持ち株会社へ転身し、JPモルガン・チェースなどの大手銀行は大手証券を救済合併した。

ボルカー・ルール実施となれば、自己勘定取引の廃止か、証券部門の分離をするしかなくなる。

証券引き受けやM&A仲介など対顧客の証券業務は対象外であり、大恐慌時代に銀行と証券業務の分離を定めたグラス・スティーガル法の復活ではない。それでも、過去30年続いた金融自由化という風向きが急変したことは確かだ。

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