そして、最短。というキーワード。
一般的なキャリアパスであれば、目的にたどり着くまでにわざと遠回りをして圧倒的な経験量を積む、という手法がありますが、ご年齢を考えると今からというのはあまり現実的ではないでしょう。
そのように考えるとやはり、いかに早く修業期間としての経験を積み上げプロとして活躍できる応用期間としての経験に移行できるかが勝負です。
もちろん人生は学びの連続ですから、プロとして仕事をする期間である応用期間においても学習が続くことは言うまでもありません。
健全な危機感を持ち、ゴールを明確に
さて、上記2点を鑑みると、やはり一番にやるべきことはスペシャリスト、という漠然としたゴールを持つことではなく、もっと具体的に何の分野のスペシャリストなのか、を明確にすることです。ゴールが明確になれば、それに向かって時間も集中できますから、最短というキーワードに結び付くわけです。
例えば企業内会計のスペシャリストなのか、デューデリジェンス(DD)分野のスペシャリストなのか、どの分野を目指すのかによって当然やるべきことも注力するべきことも変わってきますから、ゴールは明確にするべきなのです。
まだ会計士受験生さんが若ければ、これからいろいろと経験をして知見を広げたうえで将来特化するべき分野を考える、という方法もあるでしょうが、残念ながら会計士受験生さんにはそういった時間的な猶予は残されていません。健全な危機感を持って、何を目指すか、そして今何をするべきかをもっともっと具体化して、受験と同時並行で着手するくらいの意識でいてもらいたいものです。
一般的には勝負は会計士資格取得後に始まるものかもしれませんが、会計士受験生さんの場合は勝負はとっくに始まっています。今すぐ差別化のための準備を始めましょう。
すでにお気づきかと思いますが、会計士の分野も非常に競争の激しい分野であり、なおかつ会計士受験生さんのライバルたちはすでに10年は先に行っている人たちです。もちろん過去に遡るわけにはいきませんから、そのスタート時点での差は現時点となってはいかんともしがたい事実です。
しかしながら、これからの時間の使い方次第ではまだまだ追いつくことも逆転することも可能でしょう。
実際に私の知り合いでも30歳前後でそれまでの一般企業勤務を経て弁護士資格を取り、現在は大手弁護士事務所にて企業再生分野における弁護士として活躍している方もいます。
だからこそ、会計士受験生さんにもまずはゴールを明確にして、1分たりとも無駄にしないというような心意義で勝負していただきたいのです。
フリーター生活を経て、会計士資格さえ取ればなんとかなるという考えが少しでもあるならば、その考えは間違いであると明言できます。資格取得はあくまでもステップであり、手段でしかありませんし、人生を切り開く武器になるわけでは決してありません。それを使って何をするか、が人生とキャリアを切り開くのです。
頂戴した相談内容からは、その肝心な何をするか、が明白でないがゆえに、まずは1日でも早くそのゴール設定をし、もってそのゴールに向かって走り出していただきたいのです。
会計士受験生さんが、試験に合格し、目指すべき道に向かって一歩を踏み出すであろうことを応援しております。
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