相手をイラっとさせる「挨拶」をしてませんか? 「連絡がなかったから心配していた」はなぜNGか

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ですから返事もよけいな気遣いは抜きにして、「連絡くれてうれしかった。ありがとう!」と喜びや感謝の気持ちをストレートに伝えるようにしましょう。

相手を試すような言い方はしないこと

久しぶりに会った人に、「私のこと覚えていますか?」と聞かれて、戸惑うことがあります。 「覚えているのかいないのか」を試されているようで、覚えていなかったら、「あなたは失礼な人間だ」と思わせる脅しのようにも感じられるからです。

×よけいなひと言 「私のこと、覚えていますか?」
◎好かれるひと言 「あのときお会いした大野です」

「すみません、すぐ思い出せなくて」と正直に言える雰囲気ならいいですが、多くの場合は、「ああ、あのときの?」なんて言葉をにごして返事に困るもの。でも覚えていないのは、急に思い出せないだけのこともありますが、相手がその程度の印象しか持っていないからです。それなのに自分が悪者になった気分にさせられるのは、イヤですよね。

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「覚えてる?」とは少しニュアンスが異なりますが、「これ知ってる?」も相手に対して失礼な聞き方です。「私は知っているけど、あなたは知らないよね」と思っているのが前提で、バカにされているように感じるからです。

さらに悪いケースは、知らなかったときに、「え、知らないの?」とダメ押しされること。言われたほうは、自分が関心のないことを知らないだけで責められているようで、ムッとするものです。

ですから、久しぶりに会った人には、相手を試すような言い方はしないこと。挨拶するときも、「私はあのイベントで会った大野です」と、先に名乗りましょう。

言われた相手の立場になって気持ちを想像してみる視点が大切です。好かれるひと言が、よりよい関係性創りのきっかけとなりますように。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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