「初の7月台風ゼロ」今後は警戒が必要な理由 今年8月以降は台風「上陸率」が高くなるおそれ

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台風の発生数が平年より少なく、上陸数が平年より多いということは、発生した台風のうち日本に上陸する割合が高い、すなわち上陸率が高いということがいえます。

【図4:8月8日の海面水温平年差】出典:気象庁HP

また、海面水温は太平洋側を中心に平年より高くなっています。東日本と西日本付近の太平洋は平年より2℃前後高いです。特に、台風の通り道になりやすい東海沖、四国、沖縄の東、父島近海では、平年よりかなり高い海域が拡大しています。

【図5:8月8日の海面水温分布図】出典:気象庁HP

7月と打って変わって台風が発生・発達しやすい状況に

台風は海面水温が約27℃以上の海上で発生・発達しやすいという特徴があります。27℃前後(赤色)のエリアが東日本や西日本の海域に広がり、東日本と西日本付近の太平洋と沖縄の海域は30℃前後(ピンク色)になっています。

実際、台風4号は沖縄近海を北上中に発達しました。1日で中心気圧が約20hPaも低下し、強い台風の特徴である「眼」も出来ました。

7月とは打って変わって、台風が発生・発達しやすい状況なので、今後は警戒が必要でしょう。

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