PTAの「人やお金の動かし方」に猜疑心が募る訳 アゴ足つきの宴会、保険PR、割り当ては適切か
DVDには岡野会長自身が登場し、2018年度からの埼玉県自転車条例で自転車保険が義務化されたことなどを話したうえで「賠償額が5億円を超える事例も発生しております」などと、賠償に備える必要を説いている。ちなみに、国内の自転車事故での賠償額の最高は2013年に神戸地裁で出た9521万円だ。5億円を超える賠償額というのは自動車事故の事例をあげているようだ。
岡野会長の「児童生徒のためだけに作った充実した補償内容となっておりますので、ぜひ、点検の際のひとつの材料としていただきたい」という紹介に続いて、損保会社による商品説明が流れる。
補償内容は①自転車事故などで他人に損害を与えた場合、②子どもがけがをした場合の治療費など、③保護者が亡くなったり重度障害を負ったりした場合の育英費用などと説明された。
関係者によると、このDVDの配布が始まったのは、昨年1月から。当時の会長で、昨年のさいたま市議選にも出馬した青羽章仁氏(現・同会顧問)が「ご紹介いただく教頭先生にできるだけご負担をおかけしないように制度説明のDVDを作成いたしました」などとして、「お時間がない場合は会長挨拶部分のみを再生ください」と求める依頼文が同封されていた。
保険料収入は前年度から1割以上増えた
この効果もあったのか、2019年度の同保険の保険料収入は、前年度比12.2%も増え、約1億1405万円になった。2015年度の約7994万円と比べると4割以上も拡大している。
ここには、運営費用として「制度維持費」が含まれているが、2019年度にこれが1契約100円から200円と倍増した。1万5000件を超える契約があるため、2019年度の制度維持費は前年の約168万円から同313万円に増えた。
保険会社はそれとは別に、「事務手数料」を払う。保険料収入に比例して増えており、2015年度の約437万円から2019年度には約598万円になった。保険会社によるとこれは団体保険の窓口に一般的に支払われる「集金事務費」で、集めた保険料の5%が支払われているという。
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