「参加者半数感染」夏のキャンプ感染対策の穴 陰性証明、消毒や距離の確保だけでは足りない
リバーズ氏によれば、感染を抑えるには物理的な距離を保ち、全員がマスクを着用し、衛生対策と換気を行うことが欠かせない。
子どもが感染拡大に関与しているとの見方には異論もある。しかしCDCは今回の件で、子どもはどのような年齢であっても感染しうるばかりか、感染拡大にも大きく関わっていることを示す証拠がさらに積み上がったとしている。
ミシガン大学で健康管理最高責任者を務めるプリーティ・マラニ教授は、CDCの報告は「教訓にあふれている」と話す。「これだけ大きな集団となると(感染を防ぐのは)難しい。若者は若者同士で群れたがるものだし、交流したがっている。感染者が1人いるだけで大勢の人に感染が広がってしまうということだ」。
滞在期間が長い層で高い感染率
今回のキャンプでは、検査結果が得られた344人の参加者とスタッフのうち260人が陽性だった。すなわち全参加者の感染率は少なくとも43%に達していたわけだが、CDCによれば、感染率はこれを上回っていた可能性が大きい。
6〜10歳の子どもでは半数以上、11〜17歳では44%、18〜21歳では3分の1が感染していた。22歳以上のスタッフは7人しかいなかったが、うち2人が陽性となった。
感染率はキャンプ場での滞在期間が長い層で最も高くなった。参加者よりも先に現地入りしていたスタッフは半数以上が感染している。
キャンプはジョージア州知事令による感染防止措置には従っていたものの、CDCによる連邦レベルの推奨事項は完全には守られていなかった。
参加者とスタッフには、キャンプ到着前12日以内に実施されたウイルス検査の結果が陰性であることを示す証明書の提示が義務づけられていた。共用エリアの清掃と消毒は強化され、キャビンの外では物理的な距離を確保することが求められた。共用スペースの利用も混雑を避けるため時間をずらして行われていた。