職場や学校「顔を出さなくてもOK」な時代の心得 コロナ機にコミュニケーションは根本から変化

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森教授によると、日本型コミュニケーションの特徴の1つは「顔を出す」ことを重要視することにある。

「日本の場合、皆がいる場所に顔を出すか、出さないかで、メンバー間の評価が変わる。この『顔を出す』という言葉は、『同じ時間、同じ場所〜』という考えとつながっているわけです。良く言えば、『同じ釜の飯を食べる』と言い換えられる。しかし、テレワーク導入を機に、同じ場所に集まらなくても仕事はできることに気付いてしまった。地方に移住しても、テレワークで仕事をちゃんとやればいい、あとは必要最低限の対面でのつながりを持っていればいい、と。そういう働き方が出てくると思います」

「コアメンバーは顔を合わせることを大事にし、そうではない人はテレワークで構わない。そういう『中心と周辺』に分かれていくでしょう。日本型コミュニケーションは、その姿をある程度残しつつ、変わっていく、コロナショックがその分岐点になるかもしれません」

「対面」に価値はないのか

森教授は「オンラインで代替できるものは、オンラインで済ませたらいい」という考えを持っているのか。

「他の大学の事例ですが、年配の教授が『対面授業はいつ再開するんだ』と事務に掛け合ったり、若手教員を誘って飲み会を開きたがったりするという話を聞きます。もっとも、対面自体を否定していいかと言えば、そうではないと思います。大学に限らず、直接人と会って、視覚情報や聴覚情報、さらには『なんだか気が合いそう』『肌が合わなさそう』といった、うまく言語で表現できない雰囲気を感じ取ることにも意味はあります。そして、それは対面でないと難しい。上の世代に多い『とにかく会いたがる人たち』を一概に否定はできない面もあります」

「緊急事態宣言の解除後、テレワークから全員出社に戻っている会社がかなりあるとも聞きます。年配の上司の中には、部下が目の前で仕事していることをもって『管理できて安心だ』という従来の仕事の流儀に安住していると言えます。しかしながら、そういう点を批判することによって、身体的に何かを感じ取る対面コミュニケーションの大切さやチャンスを捨ててしまうのは、少々行き過ぎだと思います」

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