ワーママを悩ませる「夏休み短縮」以上の大問題 4人の母親が明かす"コロナ下の夏"の心持ち

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土井さんの子が通う小学校の夏休みも、例年の約半分の23日間。だが、現在通塾中の子どもはおらず、習い事のイベントや帰省は感染拡大を受けてキャンセルした。そのため、夏休み短縮による目立った影響を受けてはいないという。

「とくに下の2人はこれまでまったく友達に会えない期間が続いていたので、学校に通えることがとにかくうれしそう」と土井さんは朗らかに語る。「今後も基本的には学校を信じてお任せするつもりです。子どもの体調やメンタル面については、家庭で適宜フォローを入れたいと思っています」

テレワークにも慣れや工夫が必要

タスクが増加する中で、そして小学生を抱えてのテレワークでもゆとりを見出せた理由。それは「テレワークへの慣れ」だ。

土井さんの会社は女性が働きやすい職場環境を目指し、数年前から積極的にテレワークを導入してきた。土井さんも2017年秋ごろから週1回はテレワークするようになっていたという。「コロナ禍で完全テレワークになっても、少なくとも私のチームでは業務が回る環境がすでに整っていました。そのため、子どもの学習面やメンタル面をサポートしやすかった」と振り返る。

もっとも、3年前にテレワークを取り入れ始めた当初から、何もかもうまく行っていたわけではない。通勤時間がなくなった分、時間に余裕はできた。しかしその分、家事も育児も仕事もとがんばりすぎてしまい、生活のペースが乱れることもあったという。

「数カ月経ったころに、『せっかく在宅勤務で時間にゆとりができたのだから、その時間をゆったりと過ごしてもいいのでは?』と気づきました。産後の約10年を今まで仕事に育児にとつねに駆け抜けていたので、その考えが頭から抜けていたんです」

始業前に自分のためにゆっくりお茶を入れる。一人で昼食を食べたあと、15分間横になってぼんやりする。それだけで、仕事と自分の時間にメリハリができた。また、帰宅した子どもを出迎えられるようになったのも大きい。子どもも土井さんの在宅日を心待ちにするようになったという。

心にゆとりを持った状態で挑んだ完全テレワーク。だが、自分一人の気持ちの持ちようだけではどうにもならないこともある。土井さんは上司との行き違いをなくすため、出社していたころよりも密にオンラインでの面談の場を設けていた。

「できるかぎり双方の不満や不安を解消したかったので、一時期は毎日上司と面談を行っていました。今回は子の学習のサポートもあったため、休校中のテレワークはこれまでの週1テレワークと違ってかなりハードでしたが、今は私も子どももそれなりにできることをやりきったと信じています」

今回話を聞いた4人以外にも、コロナ禍で夏を迎える子の心の変化に気を配っている親は多いはずだ。それと同じように、企業もテレワークに順応していく社員の実態を把握し、メンタル面におけるサポートにもっとリソースを割く必要があるだろう。

樋口 可奈子 ライター、編集者、ファイナンシャルプランナー(AFP)

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ひぐち かなこ / KanakoHiguchi

早稲田大学卒業後、メーカー勤務などを経てライター/編集者に。ビジネス誌で商業施設のニューオープンや女性を中心とした働く世代の消費トレンドを担当。ファイナンシャルプランナー(AFP)として家計相談や不動産関連の記事も執筆。特技は整理整頓。趣味はドライブと断捨離

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