プロが分析!大学入試共通テスト「化学」のツボ 「化学・化学基礎編」を乗り切るコツ
筆者は、従来のセンター試験で問われてきた力に加え、共通テストで新しく問われる能力は次のような力と考えています。
長文で書かれた資料から問いで問われている内容だけを短時間で切り取ってくる力。この力がないと長文で構成された問題に時間ばかりとられます。60分で解ける分量の出題であることを意識すれば、例えば下線部を指定している問いであれば、下線部とその前後数行を読むだけで解けることが必然的に多くなります。
共通テストでは、この発想を問うことが思考力を試しているといっているようにみえます。この思考力を問う問題への対処方法として、筆者は生徒にマルチタスク(複数の作業をほぼ同時に行う)的な解き方が有効だと伝えています。図や表から得られる情報をもとに、複数の思考をほぼ同時に横に走らせ、これをすり合わせて解答番号を決めるような解き方になります。
日常の中での化学の役割を意識した題材に
以上から、共通テスト化学で高得点を取るには、センター試験の過去問を解くことに加え、マーク模試や試行調査の過去問で「情報処理能力」や「マルチタスク的発想」に磨きをかけることが有効になると思います。
なお、これはあくまで筆者の予想ですが、文科省がコロナ禍による学習が遅れた生徒への出題の配慮を求めているような現状ですから、共通テスト出題者側は、(大々的には宣伝しないでしょうが)ある程度は学習進度を考慮した出題をしてくるのではないかと考えています。
具体的には、「合成高分子」と「天然高分子」は、問題のレベルを下げてくるのではないかと予想しています。また、学習が遅れた生徒が多くいるなかで平均点をある程度キープするためにも、従来のセンター試験タイプの問題がそれなりに出題されると思います。
また、化学基礎では資料、図・表で取り上げられるテーマが日常生活や社会における化学の役割を意識するような題材になる可能性が高いことに注意してほしいと思います。
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