資生堂が1800億円で買収、米ベアエッセンシャルの実力
資生堂はサンフランシスコの化粧品会社ベアエッセンシャル社を19億ドル(約1800億円、100%の株式取得の17億ドルと債務の継承2億ドル)で買収し、連結子会社化すると発表した。
資生堂の2009年3月期の売上高は6900億円、売り上げの実に25%をも投じる大型買収だ。しかも、株式交換による買収ではなく、手元資金300億円とブリッジローンによる銀行借り入れ1500億円を投じるという。すでに世界70カ国以上に販売網を持つ資生堂はなぜ、ベアエッセンシャルを買ったのか。ベアエッセンシャルとはどんな会社なのか。
サンフランシスコ中心街のミッションストリートのJPモルガンチェースビル側、71スティヴェンソンストリートにベアエッセンシャルの本社がある。1976年にSTBビューティという社名で設立され、ナチュラル化粧品としてファンデーションのベア・ミネラルズ(bareMinerals)、 リップグロスのボクサム(Buxom)などのブランドを持つ。
2000年代に入り急成長、06年にベアエッセンシャルに社名変更し、同年9月29日にはナスダックに上場している。CEOのレズリー・ブロジェットで、94年からベアエッセンシャル社にかかわっている。
販売方法は直営のブティック店、セフォラ、ウルトラなどの化粧品小売店、デパート、ネット販売、そしてブロジェット自身が出演し売り込むQVCの24時間テレビショッピングなどだ。実際に販売現場を訪れてみた。
シリコンバレー南部、サンノゼ市の住宅街にあるショッピングセンター、オークリッジ・モール。その中にベアエッセンシャルの直営ブティックがある。26歳のジェシカは新製品のファンデーション、ベア・ミネラルのマットを28ドルで買ったばかり。「ユーチューブで、マットを知ったの。ファンデが脂を吸収してくれるので、脂性の私にはピッタリ」と嬉しそう。