自販機オペレーター「残業代未払い」の残酷物語

休憩なしで帰宅は深夜、知られざる過重労働

なお、今回訴えられたシグマロジスティクスは2020年3月、長時間労働・残業代不払いなどの労働基準法違反で大田労働基準監督署から是正勧告を受けていた。

具体的には、労使協定で定めた上限時間以上の残業や残業代の未払い、1日1時間の法定休憩時間を与えていないなどの法律違反が4項目にのぼった。確認された最長の残業時間は月200時間もあった。

個人加盟の労働組合「自販機産業ユニオン」(総合サポートユニオンの支部)を通じて6月29日に開かれた記者会見では、原告5人は劣悪な労働環境の実情を次々と訴えた。

1日ですべての巡回は不可能

「会社は毎日、平均20数台の自販機訪問を指示する。1台1台に商品を運搬するのは繁忙期でなくともかなりの労力」

「(会社に指示されて)30~40台を毎日巡回しないといけない時期があったが、1日ですべて回ることは不可能だった。商品が売り切れる自販機が出たり、自販機横に設置した容器の回収箱から空き缶があふれたりするなど、お客にも迷惑をかけた」

「休日出勤しなければ業務が終わらない。3人で当たるべき業務を2人でやったり1人で2人分の業務を行ったり、無理な状態がここ数年続いている」

業界関係者によると、1台の自販機の売り上げをチェックし、補充や集金の作業に1台あたり15分はかかる。さらにトラックでの移動時間なども考慮すると、1人で1日20台を回るのが精一杯だという。

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