自販機オペレーター「残業代未払い」の残酷物語

休憩なしで帰宅は深夜、知られざる過重労働

飲料メーカーからすると、自販機から得られる利益はほかの販売チャネルよりも高い。コンビニでの販売には棚を確保するために販促費がかかるほか、キャンペーンのための費用もかかる。ドラッグストアやスーパーでの販売は大量販売できる反面、安値販売のため、飲料メーカーの利幅も小さい。

その点、自販機であればメーカー希望価格で売ることができる。そのため、飲料メーカーも自販機オペレーターも数年前まで「とにかく台数の拡大を重視してきた」(同)。売れ行きのよい立地だと自販機を複数台並べて、他社が設置できないような行為もあったという。その結果、自販機台数は過剰になった。

自販機増をもたらす「コラム料」の存在

ただ、コンビニコーヒーがヒットした2013年ごろから、自販機の販売数量は減っている。その中で自販機台数の削減がさほど進まないのは、自販機オペレーター側にも原因があると考えられる。支障になっていると思われるのが「コラム料」(場所代)の存在だ。

自販機オペレーターにはさまざまな業態があるが、特定1社の飲料メーカーとだけ取引する会社と、複数の飲料メーカーと取引する会社に大きく分けられる。後者が設置する自販機には、複数の飲料メーカーの商品が並べられる。そのような自販機は飲料メーカーからコラム料を受け取ることができる。

飲料メーカーがコラム料を払うのは、自販機に置いてあるだけで自社商品の宣伝になるからだ。いってみれば「場所代」になる。あるオペレーターはコラム料の旨味を次のように明かす。

「飲料メーカーによって額は異なるが、例えば1商品あたり月600円のコラム料でも、10商品になれば月6000円の収入となる。商品の売り上げをコラム料収入が上回ることもある。売上本数に関係なく払ってもらえるので、(コラム料のせいで)自販機を撤去する動機は減る」

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