日本株は、もう上昇しないのか?

負け組のロシア並みに停滞している株式市場

2014年の日本株の不調ぶりについての代表的な説明は、「外人投資家など投機筋の売りに弱く、大きく下落しやすい」だ。こうした説明がメディアでもっとらしくされていることを、聞く機会は少なくない。

ただ、2013年に歴史的な大幅高を演じた日本株市場の性質が、短期間に様変わりしてしまった、などということはない。「この3カ月ほど、日本株だけが弱い」のは、「先行きの経済・業績見通しに対する投資家の予想が揺らいでいるから」、とみるのが自然である。

日本企業の業績「だけ」を、押し下げる要因とは?

日本企業全体の業績は、米国を中心とした世界経済にほぼ連動する。しかし、先に述べたが、2014年はほぼ日本株だけ停滞している。ということは、日本企業の業績「だけ」を押し下げる要素が影響している、ということになる。と考えれば、4月からの大型の消費増税で、景気回復と利益拡大に急ブレーキがかかるシナリオが意識されていると考えるのが、自然な帰結になる。

1月21日のコラムでも書いたが、2014年は、大型増税による政策転換で、財政政策が脱デフレの足かせになる格好に日本の経済政策が変わる。2013年には脱デフレが最優先だったアベノミクスの政策の軸が変わるのだから、マーケットや経済成長率が2014年に異なる姿になるのは自然である。

「安倍政権の政治的な力点が、経済から、憲法・外交などにシフトしているのではないか」。こうした点を、日本株市場の悪材料として挙げる市場関係者もいる。だが、これもピンと外れだろう。そもそも政治が、経済だけに取り組むわけがないし、安倍政権の外交などの政策は、過去1年ほぼ一貫しているようにみえる(それに賛成するか、しないかは別問題だ)。

株式市場を中心に、日本の金融市場の姿が変わったのは、「最近の安倍政権の姿勢」のせいではない。脱デフレを掲げるアベノミクスの政策の軸は、消費増税を決めた2013年の後半から変わっていた。そしてこの政策変更に対して、市場が疑念を抱くのがむしろ自然で、その懸念が今になって強まっているということである。

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