「強い香りに敏感な人」が持つ意外な病気の正体 化学物質に反応、仕事続けられなくなる場合も

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化学物質過敏症の症状は、目がチカチカする、涙目、鼻水、下痢、便秘、吐き気、呼吸困難、かゆみ、しっしん、筋肉痛、肩こり、関節痛、冷え、生理不順、頭痛、うつ、記憶力や集中力の低下……等々。実に多様だが、共通するのは、その化学物質がなければ症状が表れないということだ。

この化学物質過敏症の治療を20年以上にわたって行っているのが、ふくずみアレルギー科(大阪市中央区)院長の吹角隆之医師だ。化学物質過敏症を診る医療機関はとても少ないため、今も北海道から沖縄まで、3000人近い患者が通院している。

「化学物質過敏症は保険診療上では病名がつきましたが、いまだ診断や治療が確立されていません。厚生労働省の研究班が診断基準を作っていますが、そこに当てはまらない人たちもたくさんいます」

と吹角医師。においによる体調不良と化学物質過敏症の関係については、

「もともと大量の化学物質に囲まれて生活しているため、いつ発症してもおかしくない状態まで体内に化学物質を取り込んでしまっていた。そのことに気づいていなかっただけで、気づきのきっかけになったのが、においなのではないか」

と考察。そのうえで、「化学物質の処理能力には個人差があり、低い人から発症すると考えられる。誰にも発症するリスクはあると考えて行動すべき」と話す。

化学物質を避ける生活を続けるしかない

診察の中心は時間をかけたていねいな問診で、時に励まし、時に叱咤する。

「治療は体内に溜まった化学物質を排泄させることと、解毒システムを回復させることを目的に、薬物療法、栄養療法を行います。同時に、新たな化学物質を体内に取り込まないために、環境整備で身の回りの化学物資を減らすよう指導します」

しかし、これがなかなか難しい。一口で化学物質といっても、われわれが日常的に使用しているものだけで7万~8万種類。そのなかのどれに反応しているかを突き止めることは非常に困難で、大きく影響していると考えられるものから順に排除していくしかない。

つねにモチベーションをもって前向きに環境整備をしていけるか。そこに吹角医師は腐心する。問診で時間をかけるのは、そのためでもある。

もう1つ、吹角医師が重視していることが、月1回、同院で開いている勉強会だ。参加者は患者やその家族。環境整備の具体的な方法を共有しあったり、新しい情報を発信しあったりする。

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