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大学入試、小論文が苦手な人に伝えたい「3視点」 キラリと光る魅力的な文章を書くには

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全体を大まかにまとめると、次のようになります。

●子どもに伝えるためには模範解答ではダメ
→子どもは素朴な疑問を口に出すが、それは本質をついているから、なかなか伝えることができないのである

→伝えるためには自分自身がしっかりと理解すべきだ

というところでしょう。話の筋道がつかめましたか? これで、読解法①で読む工程は完了です。

課題文を自分の体験に当てはめる

さて、設問では、「筆者の主張に対する」ことと、「あなたの考え」を述べることが要求されています。筆者の見解について、自分なりの考察をするわけですが、そのために必要な読み方は、“自分の体験に当てはめる読み方”である読解法②です。

今回の例題では、「物事を伝えるためには、自分自身で本質を理解することが大事」という筆者の見解にぴったりとくる具体例を想定しなければなりません。みなさんならどんなことを書きますか? 少し考えてみてください。

● だれかに何かを教えた経験があるか?
● そのとき相手は理解してくれたか?
● もしくは理解してくれなかったか?
● もし理解してもらえなかったとしたら、何がいけなかったのか?
● 相手の理解力が足りなかった? それとも自分の説明がいけなかった?

つまり、「伝えることができなかったが、本質を理解し、説明の工夫をすれば伝わった」という具体例が書ければいいわけです。

ここでは、僕の解答手順を見てもらいたいと思います。

<解答例>
母に、パソコンを教えてくれと頼まれた。「デスクトップにファイルをたくさん貼り付けたら動きが遅くなる」と言うと、母は「どうして」と理由を尋ねた。
「デスクトップにファイルを貼り付けるのはメモリにファイルを置くのと同じ……」と説明した。すぐ、ちんぷんかんぷんな母の表情がうかがえた。メモリ、ハードディスク等、用語を理解していないのだから、仕方がない。そこで、メモリとは何かという本質的なことを考えてみた。あまりに当たり前のことなので、あらためて言葉で説明するのは難しい。
筆者の言うように、きちんと理解していないと説明も伝えることもできないのだ。そこで、説明方法を考えてみた。「ハードディスクは冷蔵庫、メモリはまな板、ファイルは食材。冷蔵庫の食材を出し、まな板の上で調理する。まな板に食材を置きすぎたら料理が進まない。パソコンも同じこと」。正しい説明かどうかはわからないが、母は腑に落ちたような顔をしていた。
これは、伝え方を工夫することで、私自身の理解が深まっていったということだろう。そして、それが相手の理解を生むのだ。理解するということは、ある対象について情報を増やすことだというのは間違っていない。
しかし、深く知るだけではなく、自分なりに咀嚼して理解し直し、自分の問題として捉え直すことが大切だ。また、それを伝達できる状態に持っていけるかどうかで、自身の理解の度合いを図ることができるのである。

いかがでしょうか。最終段落で、課題文の、「自分自身がしっかり理解すること」という見解を利用し、さらに、「伝え方の工夫」ということを、自分なりに加えました。

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それは、自分なりの見解を示そうとしているため、読解法③に少しだけ足を突っ込んでいることになりますね。

自分で評価するのは少々気が引けますが、“総合評価「A」”と評価します。もしくは、厳しめの評価として、解答例最後で考察が深められたとは言いがたいとするならば、「Aマイナス」です。みなさんは、どう思いますか?

受験だけのための安直なテクニックではなく、本物の書く力を身に付ければ、ビジネスにおいても人とのコミュニケーションにおいても大いに役立ちます。ぜひ、この3つの読解法で、魅力的な文章を完成させてください。

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