大学入試、小論文が苦手な人に伝えたい「3視点」 キラリと光る魅力的な文章を書くには

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では、日銀とはどんなところか、小学生に説明してみてください。

「日銀は発券銀行でね……」と言ったとたん、彼らは、「ハッケンギンコウって何ですか?」

と聞いてくるでしょう。「何をハッケンするの?」と聞かれて、小学生が「ハッケン」を「発見」だと誤解していることに気づくかもしれません。

もう少しかみ砕いて「お札を発行する銀行なんだよ」と説明しても、「エーッ? お札を発行するって、私たちにお金をくれるの?」なんて聞かれてしまいます。

相手は手強い。なぜ手強いかというと、素朴な疑問を持って、それをそのまま口に出すからです。

「日銀は市中にお金を供給しているんだよ」とでも言おうものなら、「シチュウって何?」「キョウキュウするってどういうこと?」と聞かれるでしょう。

実はそうした素朴な疑問こそ、往々にして本質をついているものです。子どもたちから矢継ぎ早にそうした質問を受けていると、「あぁ、自分は日銀について、本当にわかっているんだろうか。いや、何もわかっていないんじゃないか」ということに気づかされます。

これは、私自身が「週刊こどもニュース」というテレビ番組で経験したことでもあります。

「伝える」ために大事なこと。それはまず自分自身がしっかり理解することです。自分がわかっていないと、相手に伝わるはずがないからです。
池上彰『伝える力』(PHPビジネス新書)
問 )筆者の主張に対するあなたの考えを、600字以内で述べなさい。

この課題文は、日本銀行(日銀)がどのような機関なのかということについて、小学生と会話しているものです。

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