孤独死現場の片付けで業者に騙される人の盲点 ゴミ屋敷など特殊清掃の悪徳業者はこう見抜け

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4、不法投棄

そして、最後は不法投棄する業者だ。

大事なものもどこにあるかわからない(筆者撮影)

昔からある手口だが、いまだに多く発生している。河川敷や廃村などを取材していると、大量のゴミが捨てられているのを発見することがある。

ゴミ屋敷のゴミには、本人を特定する物もたくさん含まれている。宅急便の伝票、古いパソコン、メモ帳、などが適当に捨てられてしまう。

不法投棄が事件化したとしても、依頼者が罪に問われる可能性は低いが、それでも自分の情報を含んだゴミが適当にまき散らされるというのはとても迷惑だ。

そして、そういう悪徳業者に頼んだことで、自然破壊の一端を担ってしまうことになるのも気分が悪いだろう。

=対策=

『孤独死物件』『ゴミ屋敷』の清掃の際、起こりやすいトラブルを上げてきた。

それではこれらを防ぐにはどうしたらよいのだろうか?

業者の住所をネット検索してみよう

「悪徳業者を見抜く目を持たなければなりません。

いちばん簡単にできるのは、頼もうと思っている業者の住所をネット検索してみるといいです」

そう言われて、実際に私の家のポストに入っていた『ゴミ屋敷清掃』のチラシに書かれている住所や、ネット検索で出てきた清掃会社の住所を検索してみた。

すると、驚いたことに住所が存在していない業者がいくつもあった。また、あからさまに他社の工場の住所を本拠地にしている業者もあった。

逆に、なかなかちゃんとした社屋のある業者が見つからず、驚いた。

「住所を検索することで事業実態がある程度見えてきます。

住所が存在しない、他社の住所というのは論外です。ホームページでは非常に大きい会社のように見えていても、住所を検索してみると木造アパートの一室だったということもよくあります。

もちろん、アパートの一室でもキチンとしている業者はあります。ただ、清掃会社は弁護士業務などと違いさまざまなものが必要になります。運搬トラック、清掃道具、回収したゴミを仮置きすることを考えると、社屋がある業者に頼んだほうがより安心です。

さらに突っ込んで、国税庁のホームページから法人番号検索をしてみるのもよいでしょう。チラシやサイトでは株式会社と銘打っていても、実際には存在していないケースはたくさんあります。もちろん許認可番号も適当です」

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