孤独死現場の片付けで業者に騙される人の盲点 ゴミ屋敷など特殊清掃の悪徳業者はこう見抜け

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清掃業者を選択するとき、多くの人はなるべく安い業者を選ぶ人が多い。それはとてもありがちな行為なのだが、そこに落とし穴があるという。

セルフネグレクトされた部屋(筆者撮影)

「依頼者は、清掃会社に対して一方的に情報を与えます。

名前、性別、住所、電話番号、社会的属性、部屋のどこに現金を置いているのか、そんな家族も知らないようなことまで筒抜けになります。そして業者は作業の際、部屋に入って、好き勝手にどこでも見て触ることができるわけです。

清掃業者を選ぶときは、そういうことをされても大丈夫だと思える業者を探さなければいけません」

知り合って間もない人をすぐに信用できるか

例えば、昨日今日知り合った人に、そこまで事細かに自分の情報を伝えたりするだろうか? そして部屋に入れたりするだろうか?

ゴミ屋敷、事故物件は、非常に汚れているので依頼者は、清掃業者に対して引け目を感じてしまいがちだ。

だがたとえ、汚染されていても自分のエリアなのだから、信用できない人が入るのはなるべく防いだほうがよい。

「3社、4社と相見積もりを取る人もいます。少しでも安い業者を選びたいという気持ちはわかります。しかし、相見積もりを取ることで複数の業者を部屋に入れることになります。プライベート空間に入れる人間はなるべく減らし、部屋に呼ぶ前になるべく業者の質を精査したほうがいいです」

多くの日本人には、

「日本は治安がいいし、業者の多くが悪徳ではない」

という幻想がある。実際多くの業界では、そのとおりであることも多い。ただすべてがそうではないことを胸に刻んだほうがよい。

今回は清掃業界をフィーチャーしたが、もちろんほかの業界でも同じような悪徳業者は存在する。

適当に業者を選ぶことによって、その後何年も後悔することになるかもしれない。

くれぐれも慎重に、選択してほしい。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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