いままでの認識をはるかに超えた「コロナ・ショック」
2008年のリーマンショックを超え、ウォール街の暴落に端を発した1930年代の大恐慌に匹敵すると言われている「コロナ・ショック」。
今回の「出口」はそう簡単には見つかりそうもない。たとえワクチンなどが開発され、コロナというウイルスは収束しても、それで終わりではない。大きく痛んだ経済の回復には相当の時間を要する。
リーマンショック後は、中国やインドなどの新興国経済が比較的堅調で、世界経済を下支えした。しかし、今回はポストコロナの「機関車」(牽引役)は見えない。冷静かつ客観的に世界のいまの情勢を見渡せば、楽観的なシナリオは描けず、「世界同時不況を免れることは難しい」と言わざるをえない状況だ。
いまから思えば、私たちは「パンデミック」(感染爆発)というものを甘く見ていたとしか言いようがない。
2009~2010年に流行した新型インフルエンザのときも「パンデミック宣言」が出されたが、実際の被害は想定よりも軽微だった。「新型コロナウイルス」も当初は同程度だろうと高をくくっていた。
しかし、「実際のインパクト」は、私たちの想像をはるかに超えて広がり、長引き、世界中を混迷に追い込んでいる。「まさかこんなことに……」という事態が起きる時代に生きているのだということを、私たちは再認識させられている。
コロナは何の前触れもなく、経済活動のほぼすべてを一気に「蒸発」させてしまった。わずか半年ほどで世界を震撼させ、世界中の人々の生活をどん底に陥れようとしている。
では、「コロナ・ショック」は経済活動をどのように「蒸発」させてしまったのか。ここでは「コロナ・ショック」の元凶といえる「3つの蒸発」の正体について解説する。
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