伊勢谷友介「挫折禁止で、僕は環境問題に挑む!」 逆風に耐えた10年間から見えた「一縷の希望」
伊勢谷氏が代表を務める「リバースプロジェクト」の10年以上にわたる歩みと新しい事業展開について、福田氏がインタビューした。
「リバースプロジェクト」誕生のきっかけ
福田:「私たちリバースプロジェクトは、人間がこれまでもたらした環境や社会への影響を見つめ直し、未来における生活を、新たなビジネスを通して提案しています」――私はこの「リバースプロジェクト」のブランドステートメントが大好きです。誕生して、はや10年以上になりますが、伊勢谷さんが「リバースプロジェクト」を始めたいちばんのきっかけは何ですか?
伊勢谷:少し哲学的な話になりますが、「1人の人間としてやるべきことはなんだろう」と、地球を俯瞰する「宇宙人の目線」で人類を見てみたんです。
福田:「宇宙人の目線」で。
伊勢谷:動物には「種の存続」の本能がありますよね。ただ、子を産み育てることや仲間とコミュニケーションをとることは、他の動物でもできる。人間にしかできないことは、「自分が死んだ世界を想像して、いまの自分の生き方を律する」ことだと思うんです。僕はそれをやろうと考えたんです。
福田:つまり、「未来のことを考えて行動する」ということですね。
伊勢谷:そうです。「なぜ生きるか」という哲学的な疑問から始まって、100億人になろうとする地球人口を維持するために「どんな生活をすべきか」を深く考えるようになりました。「何を食べるか」「どんな服を着るか」「どんな仕事をするか」「どんな人間関係を築くか」……。何かを変えるためには、1人ひとりの行動と選択から始めるしかないんです。
福田:なるほど。
伊勢谷:「自分はなぜ生きているのか」という問いの答えが、「個人の夢をかなえるためではない」と気づき始めたからでしょうね。