伊勢谷友介「挫折禁止で、僕は環境問題に挑む!」 逆風に耐えた10年間から見えた「一縷の希望」
福田:伊勢谷さんは、学校もつくられたそうですね。
「学校」から子どもたちの意識を変えていく
伊勢谷:はい。挫折まみれの10年間を経たことで、「Loohcs(ルークス)」という新しい学校をつくりました。「自分で考え、自分でつくり、自分で選んでいけるような人を育てたい」という思いからです。この学校にはルールはなく、自分たちでつくります。例えば本校には「制服」はなく、「制服の必要性」を自分たちでまず考えてもらうんです。
福田:すごいですね。ほかにはどのようなことがありますか。
伊勢谷:朝、生徒たちが学校に集まると、高校の一般科目からそれぞれ個人にあった学習計画に合わせて選択し、教材などを使った個別授業を行います。画一的な授業は一切行いません。午後はPBL(プロジェクト型学習)となり、ビジネス、リベラルアーツ(伊勢谷が監修)、テクノロジー、クリエイティブ分野など、社会の一線で活躍する専門家たちが授業を行います。1日の終わりは友達と学んだことについて対話し、学びを深めているんです。
福田:なるほど。新しいスタイルですね。
伊勢谷:学校運営の多くは子どもたちに委ねられます。その結果、「いままでは当たり前」とされていたことが、「これからを生きる子どもたちにとっては当たり前ではない」ということが多々あると思うんですよ。つまり、「ルールを変えられる」という前提があるから、「自分たちがどういう社会をつくりたいか」というシミュレーションを学校生活の中でできるんです。
福田:まさに、伊勢谷さんが思っている「自分で考え、自分でつくり、自分で選んでいく」を実践している学校ですね。