待ったなしの「DX」、LayerX福島氏が挑む課題

ブロックチェーンの企業がDXに取り組む意味

LayerXの福島良典CEOが日本のデジタルトランスフォーメーションの課題について語った。写真は2019年(撮影:ヒダキトモコ)
新型コロナウイルスの感染拡大を経てさまざまな産業が転換期を迎える中、どんな業界にも共通するトレンドが「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。その担い手として、ベンチャー企業が存在感を高めようとしている。
LayerX(レイヤーエックス)も、そんな企業の1つだ。5月にはジャフコ、ANRI、YJキャピタルなどのベンチャーキャピタル(VC)を引受先とし、総額約30億円の資金調達を実施。ブロックチェーン関連事業を祖業とする同社だが、今後はブロックチェーンに限らず、あらゆるテクノロジーを駆使したDX支援に踏み出す。
創業者の福島良典CEOは、ニュースアプリなどを運営するGunosy(グノシー)の創業や株式上場も経験した連続起業家。日本のDXの課題をどう解決するのか。また、激変するベンチャー市場をどう展望するのか。福島氏に聞いた。

技術を押し売りするだけではダメ

――創業時から長らく「ブロックチェーンの会社」というイメージの強かったレイヤーエックスですが、現在はもう少し広い範囲を担う「DXの会社」と打ち出しています。

会社として目指す方向や社会に提供したい価値は変わっていない。それは例えば、電子的なタイムスタンプの仕組みを使って証券取引をできるようにしたり、サプライチェーンのトレーサビリティを上げたりするなど、要は紙やハンコを使わずにデジタルなプロセスの中で証拠を残し業務を回せるようにすること。それがここ最近「DX」と呼ばれるようになった。

そこで僕たちも、ブロックチェーンという技術にこだわらずDXを進める会社になる、という意志表示をしたいと。ブロックチェーンは5年後、10年後に必ず普及する技術だと信じているけど、まだ先の話ではある。この半年で現実も見えてきた。「ブロックチェーンやりませんか」と提案しても、現状では正直、実証実験以外まったく進まない。技術を押し売りするだけでは、企業としても成り立たないと感じた。

重要になるのが、特に新型コロナを経て多くの企業が「待ったなし」と実感しているDXだ。単に目の前の稼ぎ口という意味合いだけではない。日本よりブロックチェーンの社会実装が進んでいるアメリカや中国では、その下地としてSaaS(Software as a Service)などデジタルのビジネスソリューションの普及がある。

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