コロナで「家事育児」世界ではこうも変わった 日本、アメリカ、インドの母たちが語った

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見上:うちはもめました。私と夫が自宅で働いていると、子どもたちは私にだけ15秒おきくらいに話しかけてくるんです。夫は普通に仕事ができるのに。だから「なんで私ばかり?」という私の不満が1カ月ぐらい続き、夫の育児に関わる姿勢が話しかけてくる頻度に関係しているのではないかということに気づいた。もっと積極的に関わって能動的なアクションが必要なのではないか、と。

そこで夫に育児の根本から勉強してもらって、本質を理解してもらったら積極的に動くように変わったし、子どもも変わって、話しかけてくる頻度が半々ぐらいになったんです。結果として、夫との育児や教育に対しての意識統一ができてよい状況になりました。ここまで来るのにはたいへんでしたが。

「瞑想」が驚くほどよかった

――そうした不満や、外出できないストレスをどうやって解消していましたか?

見上:1つは、今まで夫の帰りが遅く、一緒に話し合う時間があまりなかったのですが、今は夕方5時にはお互い仕事をおしまいにしてワインを開けたりして、2人でゆっくり話すことがストレス解消になっています。

瞑想がコロナの時期を乗り切るのに役立っているという見上さん(写真:見上さん提供)

もう1つは、インドでは瞑想して内省作業をする方が多いんです。私も1年前ぐらいから取り組んでいます。夜寝る前や朝、ベランダで子どもと手をつなぎながら、子どもは30秒ぐらいが限界なんですが、心を静かにする時間を作っています。リフレッシュできて、コロナ禍では驚くぐらい役に立ちました。

久保山:外に出られないので家の中をより生活しやすい環境にしようと、ゲストルームのコーディネートをしたり。今まで見られなかった平日昼間の息子の様子を見たり、そういうことがすごくうれしいです。

――見上さん、久保山さんは日本に帰りたいと思ったことは。

見上:インドではコロナを経て、街自体がいろいろと変化しました。普段は交通渋滞で自宅からオフィスまで1時間半かかっていたのですが、今日は30分で来られました。

今オンラインが逼迫しちゃっていて通信環境もすごく悪くなっているので、インフラの開発がさらに進み、また変化するのではないかと思います。経済的にも本当に苦しい状況になった今後、どうなるか気になります。

インド在住の日本人の多くは不安に思われたようで、毎月の定期便200人は即埋まり、約9割の方が帰国されました。でも私は、不安はまったくない。というのは、私はかなりインドの生活に適応していて、食事もほとんどインド食ですし、インド人の友人も多く、インドの情報を直接知ることができました。なので、帰国は考えませんでした。

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