国家安全法はさっそく牙をむいた。7月1日には違法集会などの容疑で約370人の逮捕者が出ており、そのうち国家安全法に違反した疑いで10人の男女が逮捕された。
うち1人の男性の逮捕理由は「香港独立」と書かれた旗を隠し持っていたことだ。香港警察は荷物検査まで実施して検挙。フェイスブックの公式アカウントに証拠品となる押収した旗の写真と併せて逮捕にいたった状況を公開し、国家安全法はすでに施行され、国家分裂などの行為が犯罪になると改めて警告した。
「もう抗議活動に参加する勇気がない」
1日の抗議活動に参加していた大学生、ジミーさん(仮名)は「まさかさっそく国家安全法を適用するとは」と驚きを隠せなかった。その日は帰宅後すぐに香港独立に関連しそうなグッズやビラを慌てて壊したり、シュレッダーにかけたりして処分したという。「もう抗議活動に参加する勇気がない」と7月2日は抗議に参加しなかった。
高校生のデニスさんも「デモに参加するか迷い始めた」と逡巡する。彼の両親は香港政府に勤める公務員。1年前からデモへの参加を両親に止められ続けていたが、「捕まってもいい」とそれを無視していた。そんな彼が躊躇するようになったのは「国家分裂や政権転覆の罪で捕まると両親が仕事を失うのではないか」と不安になったからだ。
国家安全法の威力が出始める中、取材に応じた香港の青年たちはそれでも「表面上抗議しなくなっても、絶対にあきらめたくない」と口を揃える。「私は香港人、中国人が勝手に香港のことを決めて変えてしまうのは許せない」とエイミーさんは話す。
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