コロナ禍で探る「資産運用」で損しないシナリオ 基本は「金」「株」それとも「収益不動産」?

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2. 日本株よりコロナ時代を担うアメリカ株

IMF(国際通貨基金)が指摘するように、今の株式市場が買われすぎている可能性はある。実際にパンデミックの第1波がいまだに猛威を振るっている段階で、かつ第2波が韓国やドイツなどで始まりつつあることを考えると、これ以上の株式投資は難しくなるかもしれない。 

とりわけ、日本株は中央銀行がETF(上場投資信託)買い入れという格好で、株式市場全体を買い支えているために大きな下落の可能性は少ない。しかし、本当の意味の長期投資に耐えられる日本企業がどれだけ存在するのか。

大半の上場企業の大株主が中央銀行という姿は、財務の部分を支えてくれるのにはいいことかもしれないが、日本企業にとって生き抜いていくだけの国際競争力を身に付けることができるのか、大いに疑問と言っていい。

ときには暴落リスクもあるが、適正な投資家の需要と供給のバランスで成り立っているアメリカの株式市場のほうが将来に展望が見える。

最近は、楽天証券やマネックス証券、SBI証券といったオンライン証券会社で、簡単にアメリカ株に投資できて、しかもほとんど1株価単位で売買できる環境が整っている。先に紹介したズームやスクエアといった銘柄も簡単に購入できる。

最近は20~30代の投資家を中心に、日本株を売ってアメリカ株を買う動きが顕著になっているといわれているが、極めて合理的と言える。

むろん、アメリカ株なら何でもいいというわけではなく、フィンテック、ロボット、AI、メンタルヘルスといったセクターの銘柄がいいのかもしれない。リアルタイムで売買できるオンライン証券会社を活用することだ。

3. 地方の収益不動産?

バブル崩壊といえば不動産を連想するが、東京五輪などで今や東京都心のタワービルやタワーマンションなどはリアルなバブルが起きているが、新型コロナウイルスが蔓延する「コロナ時代」には、バブル崩壊が起きる可能性がある。

すでに東京のピークは過ぎた?

今後は、東京一極化が弱まっていき、地方の大都市圏に人口が集まる。そんな時代がやってくるかもしれない。テレワークや働き方改革がどの程度進むのかにもよるが、はっきり言って(実施しても、しなくても)東京五輪を境にして、“東京”のピークは過ぎたと考えていいのではないか。

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新しい時代には、新しいライフスタイルが芽生え、不動産価格なども大きく変わっていく。コロナが長引いて「インバウンド需要」が幻と消えれば、不動産価格は都心部を中心に大きく下落するかもしれない。地方の中堅都市で都心に通うことができる。そんな立地の不動産価格が大きく上がる可能性がある。

あるいは、地方のある地域にアメリカのシリコンバレーのような、大きなITエリアが出没する可能性もある。いずれにしても、コロナ時代の全容がはっきりするまでは単純な発想で投資することはやめたほうがいい。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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