コロナ禍で探る「資産運用」で損しないシナリオ 基本は「金」「株」それとも「収益不動産」?

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いずれにしても、中央銀行や政府による金融緩和政策が実施されている現在、世界中で紙幣が印刷され、銀行などを通して市中にばらまかれている。その莫大なマネーの行き先が株式市場であり、国債や社債などの債券市場、あるいは不動産や貴金属、絵画、ゴルフ会員権などになるという事態を想定しておくことだ。

世界中の中央銀行が資金拠出、将来はインフレに?

現在は、世界中の中央銀行による金融緩和政策によって大量の資金が供給されて、マネーがジャブジャブにあふれている。簡単に言えば、世界の中央銀行がそろって日本銀行化しつつある、と言ってもいいかもしれない。

アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は、今回の新型コロナウイルスへの対策として3兆ドル(約320兆円)、最終的にはGDPの2割に相当する資金を供給する予定になっている。ECB(欧州中央銀行)も、3月18日に7500億ユーロ(約90兆円)の緊急量的緩和を発表し、日銀もこれまで国債買い入れ額に定めていた年間80兆円という枠を撤廃して無制限とした。

今後、FRBは2021年末までゼロ金利を継続。これまで日本銀行しか実施していない「イールドカーブ・コントロール」導入の検討に入っていると報道されている。

先進国だけではない。新興国の多くも債券購入を発表している。チリはGDPの2.8%相当の債券購入に踏み切り、コロンビア、ハンガリー、インドネシア、メキシコ、南アフリカ、トルコなども相次いで債券購入に踏み切っている。世界的な規模の量的緩和政策が実施されているわけだ。

こうした影響を受けて、金融マーケットでもさまざまな異変が起きている。例えばアメリカの債券市場では、投資適格債から格下げされた「フォーレン・エンジェル(堕天使)」と呼ばれるハイイールド債を集めたETF(上場投資信託)に、巨額の資金が流れ込んで話題になっている。

また、新型コロナウイルス出現以降、格付け会社はいくつかの国の格付けを格下げしている。日本国債も、S&Pが将来のAA格への格上げの見通しが後退したとして「A+」の「安定的」とした。日本はまだ安定しているということだろう。

その一方で、フィッチ、S&P、ムーディーズといった格付け会社は、この4月はじめまでにクウェートや英国(AA)、コロンビアやボツワナ、トリニダード・トバゴ、メキシコなど(BBB)、オマーン、南アフリカ(BB)などのソブリン格付けを一斉に格下げしている。

債券市場だけではなく、株式市場へも大量のマネーが流入している。アメリカのナスダック市場のように、新型コロナウイルス以前の水準を更新し、史上最高値を更新している市場もある。

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