前述したように、現在はコロナによるロックダウンの影響に対応して、世界中の中央銀行が莫大な資金を市中に供給することで意図的に過剰流動性=バブルの状態を作っている。企業や銀行などが資金ショートして経営破綻しないようにしているわけだ。
とはいえ、最近の第2波の状況次第では、FRBやECBなどが当初想定していたよりも、はるかに上回る深刻さでさらなる追加緩和が必要になる可能性が出てきた。
そこでまた中央銀行が財政破綻を恐れずに追加の金融政策を押し出してくることになるはずだが、それでも足りずに④の「古いビジネスから新しいビジネスへの転換」が起こる可能性が高い。もし、コロナ禍でも株式投資などを続けたいという人は、古いビジネスを捨てて、新しいビジネスに投資したほうがいい。
新しいビジネスとは、社会のデジタル化を支え、パンデミックを収束させてくれるパワーのある企業と言っていいだろう。新型コロナウイルスのワクチン製造をしているような製薬企業に投資するのも1つの方法だがリスクは高い。新しい時代を牽引してくれそうなビジネスを構築できる企業のほうがリスクは低いはずだ。
とはいえ、今後パンデミックの第2波が来れば、失業者や休業者が街にあふれることになる。そうした人々を救うビジネスも誕生しまくるはずだ。リーマンショックで職を失った人のために生まれた配車アプリの「Uber」やYouTubeで活躍するタレントの「YouTuber」なども、「失業+デジタル化+新規ビジネス」というキーワードが組み合わされて誕生したものだ。
狙いは金、フィンテック、そして「地方の不動産」?
こうした大きな社会の変化を捉えたうえで、コロナ時代の資産防衛術とはどんなものなのだろうか……。コロナによるパンデミックを「戦争=有事」とみたうえで、どんな考え方をすればいいのか。具体的な投資商品を挙げて考えてみると、次のような項目が考えられる。
1. 金投資
最近になって、ゴールドマン・サックスが「金価格は今後1トロイオンス=2000ドルを超すのではないか」と予測を出して注目されている。
新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で起きてきたことを踏まえて、ゴールドマン・サックスが金価格の急激な上昇を予測したわけだが、実際に日本でも1グラム=6800円を超えて史上最高値を更新している。今後も継続して金市場は堅調と言っていいだろう。そして何よりもインフレやハイパーインフレといった有事の際に金は力を発揮する。
金と同様に、世の中もそうとう混乱したときには既存の通貨ではなく、例えば宝石のような「貴金属」とか、ビットコインといった「仮想通貨」も役に立つのかもしれない。コロナという有事の際にはオーソドックスな投資先の1つと言える。
銀行の定期預金にばかり資金を集中させずに、こうした資金に分散投資することが、リスクの軽減にも役立つわけだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら