ボルボ「XC60」のハイブリッド車は何がスゴいか エコなSUV、「B5」の走りは意外にも俊敏だ

拡大
縮小

排ガス中の窒素化合物やPM(粒子状物質)というディーゼルエンジンの排気のなかに含まれている成分が問題なわけです。ボルボをふくめて各自動車メーカーは尿素SCRといった、いわゆる触媒を使って排ガスを無害化しています。

でも、多くの自動車メーカーが将来はBEV(バッテリーで走る純粋なEV)が主体になると考えているわけです。ボルボも例外でありません。なにしろ、ここんちは「ポールスター」というスポーツEVのブランドまで展開していますから。いっそこのあたりで(まず)ディーゼルとはオサラバしておこう、と考えたわけですね。

個性の異なるドライブモード+抜群の安定性

話をB5に戻すと、ドライブモードが選べるようになっています。「エコ」もあれば「ダイナミック」も設定されています。後者はエンジン回転を高めに保つようになっていて、スポーティーなキャラが強調されます。ハイウェーではほかの交通を引き離すほどのスピード感なのですよ。

「パーフォレーテッドファインナッパレザーシート」は標準装備(写真:LEON編集部)

車体の姿勢は安定していて、乗り心地もサスペンションがよく動くかんじで、気持ちよく感じられます。ハイウェーの巡航では、その際、AWD(全輪駆動)システムは、フロントホイールだけにトルクを伝達。さらに負荷が低ければ、気筒休止します。そこから加速が必要なときは、先にお伝えしたように、電気モーターの出番というわけなのです。

カーブもけっこう得意科目。もともとXC60は、ステアリングホイールを切ったときの車体の反応はいいし、ロールは適度に抑えて、速いペースでコーナーをこなしていけるんです。

B5はハイブリッドといってもモーターやバッテリーが小型なので、操縦性に影響はあまり感じられません。これも運転好きオヤジさんには朗報ですね。試乗車にはオプションの電子制御式のエアサスペンションが備わっていました。これ、いいんです。

BowerWilkinsのプレミアムサウンドオーディオシステム(1100ワット)はオプション(写真:LEON編集部)

タイヤの上下動を含めて、うねったり荒れたりしている路面でも、いっさい乗り心地が悪くないんです。車両の姿勢はひたすらフラットで、快適そのもの。静ひつともいえるライド感覚です。このクルマのイメージにぴったり。31万円をオプション代として払う価値はある、と断言できます。

サスの設定は個人的には「コンフォート」モードが好みでした。エンジンのトルクが出る感覚と乗り心地のマッチングがいいんです。適度にゆったり。でもかったるくない。居心地のいいインテリアを持つXC60の雰囲気とよく合っている印象です。

次ページB5と同様のエンジンシステムを採用するメーカーは…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT