免疫力を高めるためにはセルフタッチが有効だ 下着を「肌触りのよいもの」に替えてみよう

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まさに、今、必要なホルモンとも言えます。ところが、コロナ禍で、握手やハグなどの触れ合いはおろか、近づくことさえもはばかられるようになり、親しい人同士であっても、身体接触が極端に減っているのではないでしょうか。必然的にオキシトシンを分泌させる機会も少なくなっています。とはいえ、キープディスタンスはしばらく続きそうですし、今できる「セルフタッチ」に取り組んでみましょう。

やり方は以下です。

まずは、両手を胸に手を当ててみましょう。心地よいくらいの優しい圧をかけ、自然な呼吸を繰り返します。次に、お腹でも腕でも、両頬でもご自身のいちばん安心するところを選んで、しっかりと両手で包み込むように手当てします。優しくさするのも有効です。基本、どこででもできますが、プライベート空間でリラックスしているときのほうがより効果的だと思います。

こうすると落ち着くというイメージがしっかりできるようになると、外出先でも不安になったときにちょっと手を添えるだけで、落ち着くことができるようになります。

日々の生活の中では、スキンケアなどするときに、ゆっくり時間をかけて顔を優しくホールドしたり、ボディクリームを丁寧に塗るだけでも効果はあります。自らの身体をいたわることで、心の安定につながります。

心地よい感覚刺激で自己回復力を高めよう

寝具、部屋着、下着、タオルなど直接肌に触れるものを肌触りのよいものに替えることも有効です。マグカップなど、日常よく使う食器を手触りのよいものにすることもよいでしょう。毎日、肌や手に触れるものを、自分が心地よく感じるものにすることで、じわじわ持続的な効果が見込めます。下着などは、素材によって最初はなめらかでも洗濯を繰り返していくうちにゴワついてくるものもあるので、替え時も大切です。

また、ペットをなでる、いつまでも触っていたくなるようなぬいぐるみをベッドに置くなど、肌感覚で心地よいものに囲まれることも効果的です。

それから、入浴も効果的です。これからの時期は、気温も上がりシャワーで済ませてしまう人も多いかと思いますが、適度な温度のお湯に包まれる心地よい感覚刺激が、オキシトシン分泌を高めます。

ほっとリラックスすることにもつながりますし、冷房で身体が冷え切って体調を崩すこともありますので、ぜひ取り入れてください。

私たちは、過去や現在の出来事に対する思いより、未来に対する予期不安が強くあらわれる傾向があります。「○○したらどうしよう」という思いにとらわれてしまうと、雪だるま式に不安は増していき、身動きができなくなります。

そして、その思いが強くなればなるほど、どんどん追い詰められ、身体も心も緊張します。ワクチンや治療薬ができるまでは、感染の不安とともに日々過ごすことになると思います。自己回復力を高め、できる範囲の中で予防に努めることで、感染防止はもとより、少しでも快適な生活を送ることにつなげていただければ幸いです。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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